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製造業の工数管理で工数集計が重要な理由とは?

製造業では、製品の製造原価を把握したり、生産効率を高めたりする目的で工数管理が行われています。

しかし、工数管理は現場の作業者からすると面倒であることから、記録漏れや誤記が発生して正しい工数を集計できていない傾向にあります。工数管理を行う場合は、現場の作業者が手間なく工数集計できる方法を考えることが重要です。

この記事では、製造業が工数管理をすべき理由について触れた上で、工数集計の手間を減らすシステム導入のメリットや、工数集計で失敗しないために注意すべきポイントなどをご紹介します。

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製造業が工数管理をすべき理由

最初に、製造業が工数管理をすべき理由を3つご紹介します。

国際的な競争力を高めるため

製造業は2020年の時点で日本のGDP(国内総生産)の約2割を占めており、今でも基幹産業の一つとなっています。しかし、昨今では国際的な競争が激化しており、日本の製造業の地位が低下しつつある状況です。実際に「2022年版ものづくり白書」では、日本企業の稼ぐ力が米国やEUの企業に比べて低いことが述べられています。

日本企業が国際的な競争に勝ち抜いていくためには、今までの製造現場を見直して生産性を高めていかなくてはなりません。そこで、工数管理が重要になります。

人手不足に対応するため

日本では少子高齢化に伴って労働人口が減少しています。製造業でも多くの企業が人手不足に悩まされており、安定した生産体制を維持できなくなる可能性が高まってきました。

製造業各社は人材の確保や育成に取り組むとともに、少ない人数であっても効率よく生産できる仕組みを構築しなければなりません。そのためには、工数管理を行って製造現場の実態を把握し、改善していく必要があるのです。

工数管理が製造現場の見える化につながるため

これまでの製造業では、ベテランの経験則に頼った管理が中心となっていました。しかし、多品種少量生産が当たり前になり、複雑化した製造現場を感覚だけで管理し続けるのは困難です。

工数管理を行えば、定量的な数値で製造現場を管理できるようになります。たとえば、「どの製品がどの程度の利益を上げているのか」「利益が出ていない場合、どの作業がボトルネックとなっているのか」といった情報が明確な数値で判断できるので、適切な対策を打ちやすくなるのです。また、誰が見ても同じ判断を下せるようになるので、属人化を防ぐことができます。

工数管理で重要な工数集計とは?

工数管理を行うためには、まずは工数集計によって製造現場の実態を把握する必要があります。ここでは、そもそも工数集計とは何をすることなのか、なぜ必要なのかを解説します。

工数集計とは何か?

工数とは、簡単に言うと「作業時間」のことです。

製造現場における工数集計とは、「各作業者の作業時間を記録し、集計することで、製品を製造するのにかかった作業時間を把握すること」を意味します。

工数集計をしていないと発生する3つの問題

  1. 製造原価の把握ができない
  2. 作業負荷の把握ができない
  3. 生産効率がどうなっているか分からない


以上の3つの問題を見てみましょう。

(1) 製造原価の把握ができない


製造原価の中で一定の割合を占めるのが、人件費です。そして人件費は、「作業者の賃金×作業時間」によって決まります。

工数集計を行って作業時間を把握していないと、当初見積もっていた作業時間よりも長い時間がかかってしまっており、いつの間にか赤字になっているといった事態が起こり得ます。

収益性を高めるためには、製造原価を正確に把握し、想定以上に工数がかかっている作業を改善していくことが重要です。

(2) 作業負荷の把握ができない


工数集計を行っていないと、各作業にどれだけの時間がかかっているのかが実際の作業者以外には分からなくなります。

その結果、対応しきれない量の作業を作業者に割り当ててしまったり、逆に作業量が少なくて作業者の手が空いてしまったりする可能性があります。そういった作業負荷のばらつきは、効率のよい生産を行うことが求められる製造現場において、大きな課題となります。

(3) 生産効率がどうなっているのか分からない


製造現場では、製造原価を下げるために生産効率を高めていかなくてはなりません。そのためには、生産効率の悪い箇所を見つけて改善していく必要がありますが、工数集計をしていないとどこをどのように改善していけばよいのかが分からなくなります。

また、せっかく改善を行っても、工数集計をしていないと改善の効果が出ているのかが分からず、正しい改善活動だったかの評価ができなくなります。

工数集計によって現場が得られる3つのメリット

工数集計を行うことで、製造現場は次のようなメリットを得られます。

  1. 製造原価を把握し、収益性を高めるための施策を検討できる
  2. 各作業者の生産効率が見える化され、効率の良い作業者のやり方を共有できる
  3. 作業者のモチベーションアップにつながる


それぞれ詳しく見ていきましょう。

製造原価を把握し、収益性を高めるための施策を検討できる

工数集計を行うことで、各製品に対して誰が・どれだけの作業時間をかけたかが分かり、製造原価を把握することができます。

製造原価が分かると、どれだけ利益が出ているかを見える化することができるとともに、もし利益が少ない場合は、より利益を出すために改善すべきポイントを考えて実行していくことができます。

各作業者の生産効率が見える化され、効率の良い作業者のやり方を共有できる

工数集計を行うことで、各作業者の生産性が分かるようになります。

同じ作業であっても、作業者が異なると生産効率が大きく違う場合があります。そういった作業者ごとの違いを把握し、効率の良い作業者のやり方を他の作業者に共有していくことで、製造現場全体の生産効率を向上させることができます。

作業者のモチベーションアップにつながる

工数集計をするということは、各作業者が自分の作業の成果を記録して、実績が見えるようになるということです。

「目標よりも早く、正確に作業ができた」「以前よりも早く作業できるようになった」、といった自分の作業の成果が見えることにより、「どうしたらより生産性が上がるのか」「どうしたらミスをなくすことが出来るのか」ということを考えながら作業をするように意識を変えていくことができます。

作業者一人ひとりの意識が向上していくことで、現場全体の雰囲気も良くなり、より良い現場づくりができるようになります。

工数集計をする3つの方法:メリット・デメリットともに紹介

ここまでで、工数集計とは何か、工数集計を行わないことによるデメリット、工数集計によって現場が得られるメリットについて説明しました。

それでは、実際に工数集計を行う場合に、どんな方法があるかをご紹介します。

紙の作業記録表に記録する

工数集計を行う簡単な方法として、紙の作業記録表に書く方法があります。

紙の作業記録表に書くことのメリットは、自由に書くことができることすぐに修正できることです。

デメリットとしては、過去の記録を調べたり集計するのが難しいこと、紙を残しておくのが大変なことです。また、記録される作業時間が作業者の記憶次第になるため、正確な工数が記録できているかが分からない点もデメリットになります。

エクセル帳票に記録する

工数集計を行う方法として、最も使われているのは、エクセルで作成した帳票ではないでしょうか。

エクセル帳票のメリットは、誰でも使えること安価に使えることが第一に挙げられます。また、柔軟性が高い点も大きなメリットです。ある程度エクセルを使いこなせる人が作成すれば、帳票を自由自在にカスタマイズできるため、自社に合った形で工数集計をすることができます。計算式を事前に作成しておけば、作業の記録をするだけで工数集計をしたりグラフ化することも可能です。

反面、エクセル帳票には下記のようなデメリットがあります。

  1. 記入するのが手間である
  2. 正確な工数が記録できているか分からない


(1) 記入するのが手間である

各作業者が作業が終わるたびに都度エクセルを起動し、実績を記録していくというのはあまり現実的ではありません。

多くの場合、各作業者がプリントアウトした紙に手書きで記入して後から入力するか、各作業者から手書きした帳票を集めて専任の事務員がまとめて入力するといった運用になるでしょう。

そうなると、二重入力の手間が発生するとともに、転記ミスで正しい情報が記録されないリスクも発生してしまいます。

(2) 正確な工数が記録できているか分からない

紙帳票での記録と同様に、エクセル帳票で工数集計する場合でも、記録される作業時間は各作業者の記憶次第になります。そのため、正確な工数が記録できているか分からないという問題があります。

生産管理システムを利用する

昨今では、製造現場の生産管理をシステムで行うことが増えています。

そういった生産管理システムの中には、工数記録や集計の機能が含まれたものもあるので、それらを活用して工数集計を行うことも可能です。

システムで工数集計をすることのメリットとしては、次のような内容が挙げられます。

  • 作業時間を自動で計算してくれるため、正確な作業時間で記録が取りやすいこと
  • 自動的に集計が行われるため、集計の手間がなくなること
  • 収集したデータをグラフ化する機能があり、データの活用がしやすくなること
  • 工数記録の手間がバーコード読取などで軽減できること


反面、生産管理システムでの工数集計にもデメリットはあります。

  • システムの導入/利用に費用がかかる
  • システム選定を誤ると、上手く使いこなせなかったり、逆に手間が増える場合がある

特に、システムの費用は一般的に数百万円~、高額なものなら数千万円~と高額になりがちです。

自社に合った規模で、使いやすいシステムを選定する必要があります。

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工数集計で失敗しないためのポイントは「工数記録の手間を極力なくす」こと


工数集計を行う上で重要なポイントは、「工数記録を漏れなく、ミスなく集められるか」です。記録漏れがあったり、記録されていても正しい工数が記載されていなければ、工数集計した結果を信頼できず、せっかく集計したのにその情報を上手く使うことができなくなってしまいます。

そして、工数記録を漏れなく、ミスなく集めるためには、「工数記録の手間をなくす」ことが極めて重要です。作業者からすると、工数集計を行うことになった結果、今までしていなかった工数記録を行う手間が生じることになります。工数記録自体が面倒だと、作業者は余計な手間が増えたと感じてしまいます。その結果として、記録漏れが発生したり、工数記録の内容が徐々に雑になってしまったりするのです。

工数記録の手間を極力なくす方法を考えることが、工数集計で失敗しないための重要なポイントになります。

そして、生産管理システムは、工数記録の手間をなくして、工数集計をする上で最適な選択肢です。生産管理システムの中には、バーコード読取などで工数記録の手間を軽減したり、正確な作業時間を計測できたり、一部の内容であれば自動的に入力してくれるものがあります。また、入力ミスや漏れを防止する機能が盛り込まれているシステムもあるので、工数集計を行う方法として、ぜひ検討したいものです。

まとめ:最適な工数集計で現場を「見える化」しましょう

製造現場における工数集計とは、「各作業者の作業時間を記録し、集計することで、製品を製造するのにかかった作業時間を把握すること」です。

また工数集計を行うことにより、下記のようなメリットを得ることができます。

  1. 製造原価を把握し、収益性を高めるための施策を検討できる
  2. 各作業者の生産効率が見える化され、効率の良い作業者のやり方を共有できる
  3. 作業者のモチベーションアップにつながる


上記のメリットを最大限得るためにも、自社にとってベストな工数集計の方法を検討する必要があります。その際に、工数集計を漏れなく、ミスなく行えるように「工数記録の手間をなくす」方法を検討するようにしましょう。

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