バーコードを使った在庫管理とハンディターミナルの選び方
公開日:2020年03⽉03⽇
最終更新日:2024年10⽉30⽇
『在庫管理』は会社によってやり方が千差万別です。 昔ながらの方法で手書きで管理されている会社もあれば、エクセルで管理している会社、バーコードでシステムと連携させて管理している会社もあります。
今回はバーコードを使った在庫管理のやり方やメリット、そしてバーコードでの在庫管理に必要なハンディターミナルの選び方をご紹介いたします。
バーコードを使った在庫管理のやり方
バーコードを使った在庫管理ではすでに製品にバーコードがある場合と、製品にバーコードがない場合でやり方が変わってきます。
製品にバーコードがある場合
製品にバーコードがある場合は、そのバーコードをハンディターミナルでスキャンするだけなので、導入はとても簡単です。
事前に読み取りたい内容をシステムに登録し、あとはハンディターミナルで操作して、バーコードをスキャンするだけで、入荷や出荷を自動集計して在庫を管理することができます。
製品にバーコードがない場合
バーコードがない場合はバーコードを製品に貼りつけなくてはなりません。 製品一つ一つにバーコードを貼っていく、という作業は、その作業自体がミスの元になってしまうことがあります。
そのようなミスを防ぐため、製品を保管する棚自体にバーコードを貼る対策がよく取られています。
製品を保管する棚が決まっている場合は、一度棚にバーコードを貼ってしまえば、2回目以降はそれを再利用することができます。
初めこそ棚へのバーコード貼り作業は大変ですが、その後はミスが少なく簡単なバーコードでの在庫管理が可能となります。
バーコードの在庫管理で大きく変わるポイント
手書きでの在庫管理では、書き間違いや書き忘れのトラブルが多く発生します。人間の手で計算していくため、間違いが起こりやすいのです。 手書きの在庫管理は導入こそ簡単ですが、その分、現場の人間に大きな負担がかかってきます。
エクセルでは自動計算ができるようにはなりますが、現場で直接在庫を入力するのではなく、事務所に戻ってから入力するため、タイムラグがあり、入力漏れがよく発生します。 エクセルも比較的簡単に導入できますが、入力自体を忘れないようにすることが大切になってきます。 また、製品の数が多い場合はエクセルでは管理しにくく、入力ミスが起こるといったトラブルもよく発生します。
手書きやエクセルでの在庫管理からバーコードでの管理に変えた場合に大きく変わるポイントは以下のようなものが挙げられます。
バーコードの在庫管理は入力ミス・入力漏れがない
バーコードを使った在庫管理は、バーコードをハンディターミナルでスキャンし、システムを利用して在庫を自動的に管理する仕組みです。
手書きやエクセルではトラブルの原因となっていた、入力ミスや入力漏れが発生することなく、在庫管理が驚くほど簡単にできるようになります。
手間がかからず、棚卸作業は1/3の時間で作業できた事例も
バーコードをハンディターミナルで読み取るだけで在庫数を管理できるため、現場の人間に手間がかかることはありません。
事務所でエクセル管理していた場合は、在庫確認のために現場まで行かなければならないですが、そのような手間もなくなります。
特に棚卸作業では、バーコードでの在庫管理導入後、1/3の時間で作業が終わるようになった事例も見られました。
在庫以外にもバーコード読み取りで様々な管理が可能
バーコードがあれば、数量と同時に様々な情報を読み取って、在庫管理だけでなく、エリア管理、ロット管理、期限管理、出荷管理などを行うことも可能です。
例えば、在庫の担当者が1人・100個の製品だと管理はしやすいのですが、担当者が5人・2,000個の製品を管理するとなれば、何かどこに何個あるのか、各担当者が把握するのは難しくなります。
そのため、バーコードに在庫管理だけでなくエリア管理システムをプラスしておくことで、どの製品がどのエリアにあるのか、バーコードを読み取るだけで簡単に現場担当者が確認できるようになります。
トラブル対応に製品のトレースが不可欠になってくる食品業界、薬品業界、自動車業界では、様々な管理ができるバーコード管理はよく利用されています。
バーコード在庫管理のデメリット
バーコードでの在庫管理のデメリットは、価格が高いことが挙げられます。
一般的にハンディターミナルは1台20万円、システム導入に50~150万円の費用が必要と言われています。
しかし、ハンディターミナルは1ヶ月単位や半年単位でのリースを行っている会社も多くあります。一度使ってみてから導入してみるとよいでしょう。
当社でも、ハンディターミナル使用可能な在庫管理システムのトライアルを行っています。
ハンディターミナルの選び方
最後に、バーコードでの在庫管理に必ず必要になるハンディーターミナルの選び方をご説明します。
ハンディターミナルは長時間使わないのであれば、どのメーカーでも遜色ありません。 しかし、長時間使うとなると、少しの使いにくさが大きなストレスとなってきます。
そこで今回は長時間使うことを想定したハンディーターミナルの選び方をピックアップいたしました。
ボタンの押しやすさ
ハンディターミナルは決定や数字などにボタンが使われています。ボタンの反応や押しやすさを事前に確かめて購入するようにしましょう。
バーコードの読み取りスピード
ハンディターミナルの機種によってはバーコードの読み取りスピードが遅いものがあります。少ない製品数の在庫管理の場合は問題ありませんが、数が多い場合、スピードが遅いと全体的な遅れを招いてしまいますので、読み取りスピードが早いものを選ぶようにしましょう。
耐久性
ハンディターミナルを手に持って作業を続けていると、どうしても落としてしまうことがあります。落下に強い機種も販売されていますので、できるだけそのような機種を選びましょう。
重さ
短い作業時間の場合だと気にならないのですが、長時間使う場合は少しでも軽い方が手や腕への負担は軽くなります。重いものだと手が疲れてきますので、できる限り軽いハンディターミナルを選ぶようにしましょう。
画面サイズ
たくさんの内容を画面に表示させたい場合は、画面のサイズも重要です。画面サイズが小さすぎると文字が小さくミスを招きかねません。できるだけ大きな画面の機種を選びましょう。
電池のもち
多くのスタッフで利用する場合は、電池交換コストも無視できません。電池のもちがいいものを選ぶようにしましょう。
メーカー対応のスピード
何かトラブルがあった際にメーカーがどのくらい素早く対応してくれるのかは、最も重要なポイントです。
「代替え機はすぐに貸してくれるのか?」「トラブル時にコールセンターではなく営業がしっかり対応してくれるのか?」などメーカーの対応を確認しておくようにしましょう。
工場へシステムを納品している当社では、キーエンスのハンディターミナルをご提案することが多いのですが、代替え機は最短当日発送してくれ、トラブル対応を担当営業が行ってくれるため安心です。
バーコード在庫管理の導入事例
当社でバーコードによる在庫管理を導入された事例をご紹介します。
紙からバーコードによる在庫管理に変更し、毎日の原料在庫数確認の手間を95%削減!
冷凍食品を製造・販売している企業様での導入事例です。
こちらの会社では導入前、入出荷情報および在庫数はすべて紙で記録しており電子情報として全く残せておらず、毎日4名の作業員が1日の作業終わりにすべての原料の在庫数を目視で確認し、紙に手書きで記録している状態でした。
そこで弊社のバーコードによる在庫管理システムを導入。バーコードラベルを発行できるシステムで、入荷時に原料にラベルを貼り付ければ、ハンディ端末を用いて手間なく簡単に入出荷の記録をすることができるので、正確な保管場所・在庫数を把握できるようになりました。
正確な在庫管理の実現により、これまで毎日4人で2時間かかっていた原料在庫数の確認の手間/工数の約95%削減に成功しました。
バーコードによる在庫管理で入出庫記録ルールの統一を実現
ガス発生装置のメンテナンスなどに必要な保守部品の製造販売を行っている企業様での導入事例です。
保守部品の入出庫は紙で記録しており、記録するタイミングなどルールが統一されておらず、記録漏れや記録ミスにより正確な在庫数が把握できていない状態となっていました。
そこで、弊社のバーコードによる在庫管理システムを導入。
入出庫記録のルールを社内で統一し、保守部品の棚からの出入りはすべて記録。
ハンディ端末を用いて手間なく簡単に入出庫の記録をとることができるので、入力ミスもなくなり、正確な在庫数を把握できるようになりました。
バーコードの在庫管理システムを使ってみたいと思ったら
当社ではバーコードを使った在庫管理システムを販売しております。既存のパッケージを現場に合わせてセミオーダーできる、使いやすい在庫管理システムです。 導入支援付きトライアルも行っておりますので、ぜひご利用ください。
22種類の生産管理システムをランキングで比較
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