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棚の在庫管理を効率的に!ロケーション管理やシステムの活用方法を具体的に解説

倉庫を管理する

在庫管理における棚管理の効率化は、中小・中堅規模の製造業にとって重要です。棚管理の重要性から、効果的な棚番管理方法、ロケーション管理の手順、そして棚管理が上手くいかない理由まで、詳しく説明します。在庫過多や現場での在庫探索の手間、在庫の紛失など、棚管理が不十分だと生じる問題点や、販売機会損失の防止や顧客満足度向上など、適切な在庫管理のメリットについても紹介します。

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棚管理の重要性とは

適切に棚管理を行えるようになると、在庫品がどこに保管されているかが明確になり、在庫管理の効率を上げることができます。

具体的なメリットとしては、在庫の過剰や不足を防ぎ、在庫の紛失リスクも減少できます。その結果として、在庫金額の圧縮や倉庫の効率活用によるコスト削減につながります。また、必要な商品を迅速に見つけられるようになるため、倉庫内でのピッキング効率の向上も期待できます。

棚管理が十分に行えていない現場では、在庫の誤計算や紛失、効率の低下を引き起こす可能性があります。

棚管理が不十分な現場のよくある例

  • ピッキング時に在庫品を探す手間が毎日発生する
  • あると思っていた在庫品が欠品していた
  • 在庫がないと思っていた品物を発注したら見つかった

これらは結果的に、販売機会の損失や在庫コストの上昇、顧客満足度の低下につながる恐れがあります。

棚管理の導入方法

棚管理を段階的に導入するための具体的なステップを紹介し、各ステップがどのように全体の管理効率を高めるか説明します。

棚管理方式を決める

まずは、固定ロケーション管理、フリーロケーション管理など、適切な棚管理方式を選びます。

商品を決める

管理する商品の種類や特性によって、どの商品をどの棚に保管するかを決定します。

棚の大きさ・高さ・段数を決める

商品のサイズや保管量に応じて、棚の大きさ、高さ、段数を計画的に決めます。

棚番号を決める

効率的なピッキングと在庫追跡のために、各棚に明確な番号やマーキングを設定します。棚や縦・横の列をアルファベットや数字で割り振り、「A-1-2」のように表記する倉庫が多いです。

保管する

最後に、決定された計画に基づいて商品を保管し、管理システムを実行します。

ロケーション管理の重要性と種類

ロケーション管理は、効率的な棚管理に不可欠です。これにより、在庫の正確な位置を把握し、迅速なアクセスと適切な在庫管理が可能になります。ロケーション管理によって、簡単に在庫の追跡と整理ができるようになり、作業効率が向上します。

ロケーション管理には3種類あり、それぞれ向いている品物や倉庫が異なります。自社の状況に合わせて選定することが望ましいです。

固定ロケーション管理

固定ロケーション管理とは、各在庫品ごとに保管場所を決めて運用する方法です。在庫品の保管場所が決まっているためわかりやすく、ピッキング担当者が作業しやすいメリットがあります。また、入庫品の紛失も起きにくい点も特徴です。一方、空いている棚があっても決められた在庫品以外を置けないため、倉庫スペースを有効活用しにくい点はデメリットです。

よって、固定ロケーション管理は、在庫点数が少ない倉庫や、入荷ペースが安定している品物に向いているロケーション管理方法です。

フリーロケーション管理

フリーロケーション管理とは、入荷品を都度空いている棚に保管していく方法です。最大のメリットは、倉庫のスペースを有効活用できることです。しかし、在庫品の場所が決まっていないため、在庫品を探す手間が発生しやすいデメリットがあります。在庫管理システムや倉庫管理システム、ハンディターミナルなどのIoT端末活用により、リアルタイムに在庫の位置を把握できるようにすると、このデメリットは解消できます。

よって、フリーロケーション管理は、在庫や倉庫の管理システムを活用できる企業や、在庫の入れ替わりが激しい品物に向いているロケーション管理といえます。

ダブルトランザクション

ダブルトランザクションとは、固定ロケーションとフリーロケーションをエリア分けして活用する管理方法です。ピッキングエリアには固定ロケーション管理を採用し、ピッキング効率を重視した倉庫作りをします。対して、在庫品のストックエリアには、スペースを有効活用できるフリーロケーション管理を採用し、保管効率を重視します。

ダブルトランザクションのデメリットは、ストックエリアからピッキングエリアに在庫品を移動・補充する手間が必要な点です。在庫品の移動に手間がかかる、大きな品物や出庫量が多い品物には不向きです。

棚管理がうまくできない理由

考えるエンジニア

棚管理がうまくできない主な理由は、従業員の心理的要因や組織的な課題にあります。従業員のモチベーション維持ができないことやプロセスの複雑さが、効果的な棚管理の障壁となることが多いです。品切れを防ぎたい、少しでも多く売りたい、という心理的な要因も原因の1つです。これらの課題を克服するためには、組織全体での改革とシステムの改善が必要です。

棚での在庫管理が不十分だと起きる問題

棚管理が不適切だと、在庫管理に多くの問題が生じます。問題が生じると、業務効率に影響を与え、最終的には企業の利益に悪影響を及ぼす可能性があります。

在庫過多になる

適切な棚管理が行われないと、在庫過多になってしまう可能性があります。これによって無駄なコストの増加やスペースの不足につながります。

現場で在庫を探す手間が発生する

在庫が適切に管理されていないと、必要な商品を見つけるのに時間がかかり、作業の効率が低下します。

在庫の紛失

整理整頓されていない在庫は、紛失するリスクが高くなります。これにより、補充が必要になったり、余分に注文しなければいけなくなる可能性があります。

適切な在庫管理によるメリット

適切に在庫管理を行うことにより、企業運営に多くのメリットをもたらします。効率的な在庫管理は、不要なコストの削減、作業効率の向上、顧客満足度の向上など、ビジネス全体にさまざまな良い影響を与えます。

販売機会損失の防止

適切な在庫管理により、商品の欠品による販売機会の損失を防ぐことができます。常に適切な在庫量を保つことで、需要に迅速に、的確に応えることができます。

在庫散在の防止

散在した在庫を減らすことで、管理コストを削減し、効率的な運営が可能になります。

顧客満足度向上

在庫の正確な管理により、顧客の注文に迅速かつ正確に対応することができ、結果として顧客満足度が向上します。

棚管理を効率的に行うコツ

倉庫で相談する従業員達

効率的な棚管理は、在庫管理の重要な要素です。棚管理を最適化するための具体的なコツや戦略に焦点を当て、それぞれの方法がどのように作業の効率化に貢献するかを解説します。

ロットごとに色分け管理

在庫のロットごとに色を分けて管理することで、視覚的に在庫を識別しやすくなり、取り間違えのリスクを減らします。

3S(整理・整頓・清掃)の徹底

整理、整頓、清掃を徹底することで、作業効率が向上し、在庫管理がスムーズに行えます。

固定ロケーションとフリーロケーションの併用

固定ロケーション管理とフリーロケーション管理、どちらかのみの在庫管理で課題を感じている場合、双方を併用するダブルトランザクションを採用することで、柔軟かつ効率的な在庫管理ができる可能があります。

棚札を活用

棚札を活用して在庫情報を明確にすることで、迅速かつ正確な在庫管理が実現します。

エクセル(Excel)を活用

エクセルなどの表計算ソフトを利用することで、簡単に在庫データの管理と分析をすることができます。

参考:すぐに使える!無料のExcel在庫管理シート

在庫管理システムの導入

在庫管理システムを導入することで、在庫の追跡、管理、分析が自動化され、効率的に管理することができます。

参考:在庫管理システムを導入するメリット:選び方のコツ

在庫管理システムが棚管理に役立つ理由

ハンディを使う女性

紙の棚カードやエクセルでの棚管理を行っている倉庫で、在庫管理システムを導入すると、大幅な工数・コスト削減が期待できます。特に、バーコード管理を併用すると、現場での入出庫データや棚番データが在庫管理システムに自動反映され、より正確な在庫管理が可能になります。その結果、過剰在庫や欠品、在庫紛失などが防止できます。

理論在庫と実在庫の数量にズレが生じる原因のひとつは、日々の入出庫管理の不十分さです。バーコード管理を現場に導入し、入出庫のたびに各棚の在庫の動きをハンディ端末から登録する運用にすれば、在庫管理システムにデータが反映されます。これによって、パソコンやタブレットから、各棚の在庫情報がリアルタイムに確認できるようになります。

ただし、すべての在庫管理システムに棚番機能があるわけではありません。棚管理を行いたい場合は、システム選定時に機能の確認をしておくことをおすすめします。


【次の記事】在庫管理システムを導入するメリット|失敗しないための選び方

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この記事の著者

Matsumoto

株式会社ネクスタ 松本尚子

金属加工系企業の営業職として、中小企業から大手企業まで幅広い製造現場へ訪問。現場のリアルな課題を見てきた経験を活かし、株式会社ネクスタへ入社。生産管理システム「スマートF」のマーケティングを担当。

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