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ダブルビン方式とは 他の発注方式との比較、在庫管理システムへ移行した成功事例を紹介

ダブルビン方式

在庫管理で利用される「ダブルビン方式」は、シンプルながら多くの企業が利用する発注方法です。本記事では、ダブルビン方式のメリットとデメリット、適した品物の特徴、他の発注方法との比較、さらに在庫管理システムへ移行した企業の具体的な事例・効果について解説します。

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ダブルビン方式とは

サプライチェーンイメージ

ダブルビン方式(Two-bin system、複棚法)は、製品や部品を管理するために2つの容器や保管場所を用意し、1つ目の保管場所の在庫がなくなったら発注するという発注方式です。

この方式は、特に製造業や流通業などで一般的に利用されています。シンプルな管理方法でありながら在庫切れを防ぎ、安定した供給体制を維持することができます。ダブルビン方式は、在庫管理にあまり手間をかけられない企業や、需要が比較的安定している商品に適した管理方法です。

ダブルビン方式のメリット

ダブルビン方式のメリットは、大きく分けて2つあります。

低コスト・少ない手間で運用できる

1つ目は、簡単でコストがかからないことです。ダブルビン方式は、「置き場の1つで在庫がなくなったら発注する」というシンプルな仕組みであるため、導入や運用にあたって特別なシステムや高額な設備投資が不要です。そのため、在庫管理の知識が少ない従業員でも簡単に運用でき、教育コストや時間も最小限に抑えられます。

ダブルビン方式でよくある運用方法は、2つのコンテナを手前と奥に置き、手前のコンテナが空になったら発注カードが出てくる仕組みです。在庫管理担当者は、発注担当者にカードを渡すだけで、社内発注依頼ができます。細かい在庫管理や発注量計算は不要です。

在庫切れの防止

2つ目は、在庫切れを防止できることです。1つ目の置き場が空になるタイミングで発注し、発注品が届くまでの間は2つ目の置き場の在庫を使用するため、安定した供給を保つことができます。

ダブルビン方式のデメリット

考える従業員

ダブルビン方式には、いくつかのデメリットがあります。

需要変動への対応が難しく、欠品や過剰在庫のリスクがある

1つ目は、需要が急激に変動する場合には対応が難しいという点です。この方式は、需要が一定であることを前提に設計されているため、突然の需要の増加には追いつけず、在庫切れを引き起こすリスクがあります。逆に、突然の需要減が起きた場合は過剰在庫となり、在庫金額が膨らんでしまいます。

リードタイムにより向き不向きがある

2つ目のデメリットは、発注リードタイム(在庫補充にかかる時間)が長い場合や、不安定な供給状況においては、在庫管理の効果が低下する点です。例えば、サプライヤーからの納期が不安定であったり、輸送に時間がかかったりする場合、2つ目の置き場の在庫が尽きる前に補充品が届かないことがあります。その結果、予期せぬ在庫切れが生じ、生産ラインが停止したり、販売機会を逃したりするリスクが高まります。

保管スペースが必要

3つ目のデメリットは、保管スペースの確保が必要である点です。ダブルビン方式では常に2つの容器や保管場所を用意しておく必要があり、限られたスペースで多品種の商品を管理する場合には、保管場所の問題が生じる可能性があります。特に、保管コストが高い都市部の倉庫や、小規模な店舗では、この方式が適用しにくいケースがあります。

ダブルビン方式が向いている品物

作業中

ダブルビン方式は、特定の条件下での在庫管理に最適な手法です。以下で、ダブルビン方式が向いている品物について詳しく説明します。

需要・使用量が安定しているもの

ダブルビン方式は、需要や使用量が比較的安定している品物に最適です。需要が安定している品物では、消費ペースを予測しやすいため、在庫切れや過剰在庫のリスクを最小限に抑えることができます。

例えば、製造ラインで使用される定常的な部品や、日常的に必要とされる消耗品などが該当します。これらの品物は使用頻度が一定で、季節的な変動や予期せぬ需要の変化が少ないため、ダブルビン方式による管理が効果的です。

単価が低いもの

ダブルビン方式は、単価が低く、大量に保管してもコスト負担が少ない品物にも適しています。低単価の商品は、多くの在庫を持っていても資金繰りに大きな影響を与えません。

例えば、ネジやボルト、ナットなどの小さな部品や文房具類などが該当します。これらは日常的に多く使用されるため、常に一定の在庫を持っている必要がありますが、ダブルビン方式を用いることで、過剰在庫を避けつつも必要量を確保できます。

欠品させてはいけないもの

ダブルビン方式は、欠品させてはいけない重要部品の管理にも向いています。これらは、供給が途絶えると生産ラインの停止や顧客への納品遅延といった重大な影響を及ぼすため、常に一定の在庫を確保しておく必要があります。

例えば、製造業で使用される重要な部品や、医療機関で必要な消耗品などが該当します。このような欠品が許されない品物をダブルビン方式で管理することで、常にバックアップの在庫を持ち、万が一の不足を防ぐことができます。

保管スペースを圧迫しすぎないもの

ダブルビン方式は、保管スペースを大きく占有しない小型の品物にも適しています。保管スペースが限られている場合、大型製品をダブルビン方式で管理するのは非効率的ですが、小型で多数の部品を取り扱う場合には非常に有効です。これらの品物をダブルビン方式で管理することで、スペースを有効に活用しながら在庫の適正量を保つことができます。結果として、限られたスペースを最大限に活用し、効率的な在庫管理を実現できます。

ダブルビン方式と他の発注方法の比較

エクセルイメージ

ダブルビン方式は、シンプルでコスト効率の良い在庫管理手法ですが、他の発注方法と比較することで、その利点と限界をより深く理解することができます。

以下では、多くの企業が取り入れている主要な発注方法、定量発注方式および定期発注方式の特徴と相違点について詳しく説明します。

定量発注方式との比較

定量発注方式は、在庫が一定のレベル(発注点)まで減少した時点で、あらかじめ決められた数量を発注する方法です。この方式は、需要の変動がある程度予測可能な品物や、在庫レベルを最小限に保ちながら効率的に運用したい場合に適しています。

定量発注方式のメリットは、発注の判断がしやすく、管理工数が少ない点です。しかし、需要が不安定な場合や、補充のリードタイムが長い場合には、在庫切れのリスクが高まる可能性があります。また、発注量が固定されているため、急激な需要の変動に対応しにくいというデメリットもあります。

在庫数が一定以下になってから発注するという点では、ダブルビン方式と定量発注方式の考え方は似ているといえます。ダブルビン方式と比較すると、定量発注方式は管理の手間がやや増えるものの、より在庫金額を圧縮できる可能性があります。

→ 定量発注方式の詳細はこちら

定期発注方式との比較

定期発注方式は、あらかじめ設定した一定の期間ごとに在庫を確認し、その時点の在庫量に基づいて発注する方法です。この方式は、発注のタイミングを固定し、計画的に在庫を補充するため、発注業務のスケジュール管理が容易です。

定期発注方式のメリットは、発注量を都度調整できるため、需要変動への対応や適正在庫の維持がしやすい点です。しかし、発注の都度、発注数量を計算する必要があるため、管理工数が多いというデメリットがあります。

ダブルビン方式と比較すると、在庫の状況を定期的にチェックすることで過剰在庫を防げますが、発注量の計算という手間が多くなります。需要変動が多い品物や、高単価で在庫数を増やしたくない品物などは、手間をかけてでも定期発注方式にする方がいい場合もあります。

→ 定期発注方式の詳細はこちら

ダブルビン方式の採用企業も在庫管理システムでより発注業務を効率化できる

在庫・タブレット

ダブルビン方式を使用している企業で、ヒューマンエラーや過剰在庫などの課題がある企業は、在庫管理システムの活用で一定の改善が可能になります。ここでは、在庫管理システム導入で得られる、発注自動化やリアルタイムでの在庫把握のメリットについて説明します。

発注の自動化

在庫管理システムを使うことで、ダブルビン方式の発注プロセスを自動化できます。一定の在庫レベル(発注点)を下回った時点でシステムが自動的に発注を行う定量発注方式にすることで、手作業による発注ミスや遅れを防げます。これにより、適正在庫を維持し、在庫切れのリスクを軽減し、業務効率の向上が期待できます。

リアルタイムでの在庫状況の把握

在庫管理システムを導入すると、リアルタイムで在庫の状況を把握することが可能になります。各品目の使用状況や在庫レベルを即座に確認できるため、需要変動や急ぎの受注が入った場合も、迅速な対応ができます。これにより、無駄な在庫を減らし、在庫の最適化が図れます。また、リアルタイムのデータは、将来の発注計画にも役立ちます。

在庫管理のシステム化でダブルビン方式をやめた事例

在庫管理システムを導入した結果、従来のダブルビン方式を廃止した事例が増えています。多くの企業では、ダブルビン方式のシンプルさと手軽さに頼っていたものの、在庫の過剰や欠品のリスクを完全には防げないという課題がありました。

しかし、在庫管理システムを導入することで、在庫情報のリアルタイム追跡、需要予測の精度向上、自動発注機能などを活用し、より精密で効率的な在庫管理が実現され、結果としてダブルビン方式の必要性が低下しています。

具体的な事例として、ある製造業の企業では、部品の管理にダブルビン方式を長年使用しており、二重発注や在庫過多が発生してました。しかし、在庫管理システムの導入によりリアルタイムで在庫状況を把握できるようになり、年間100万円の在庫削減とともに、二重発注がなくなりました。これにより業務時間の削減も実現し、より効率的な発注管理が可能となりました。

→ 従来のダブルビン方式を廃止し、在庫管理のシステム化に成功した事例はこちら

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