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資材管理とは よくある課題、主資材・副資材をどちらも効率的に管理できるシステムとは

資材管理

製造業における資材管理とは、生産効率の向上やコスト削減、リスク管理の向上に不可欠なプロセスです。しかし、主資材だけでなく副資材(MRO)まで効率的に管理できている企業は、意外と少ないのが現状です。

本記事では、資材管理とは何か、資材計画や外注管理、在庫管理などの具体的な手法の基本を解説します。また、紙やエクセルでの管理からシステム導入までの方法を比較し、よくある悩みを解消するための具体策も提案します。具体的な企業の事例も紹介していますので、参考にしていただけると幸いです。

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資材とは

資材とは、製品の製造やサービス提供に不可欠なあらゆる物品を指します。製造業における具体例を挙げると、生産に使う原材料や部品、出荷時に必要な梱包材、消耗品なども資材にあたります。

資材は、主資材副資材の2つのカテゴリーに分類できます。それぞれの特性や管理方法は異なるため、適切な管理が求められます。

主資材と副資材

主資材(直接資材)は、製品の構成要素として直接使用される素材や部品を指します。いわゆる原材料をはじめ、中間品や仕掛品なども主資材に分類できます。主資材の管理は、製品の最終品質とコストに大きな影響を与えるため、特に厳格な在庫管理と品質管理が必要です。

一方、副資材(関節資材)は、製品自体には直接関与しない消耗品を指します。主資材ほどコストに直結しないものの、欠品や管理の不備が発生すると製造工程全体に悪影響を及ぼす可能性があります。円滑な生産のためにも、適切な管理が不可欠です。

また、副資材は「MRO」とも呼びます。MROとは、Maintenance(メンテナンス)・Repair(リペア・修理)・Oparation(オペレーション)の頭文字を取った言葉で、これらの業務に使う消耗品も副資材に分類されます。

主資材(直接資材)副資材(間接資材、MRO)
分類製品を構成するもの生産の過程で消費するもの
具体例・部品や原材料・中間品・仕掛品・包装材・工具・燃料

例えば、自動車製造における鋼板は、直接完成品を構成する材料なので、主資材です。対して、それらを溶接する際に使用するガスや燃料は、副資材に分類されます。また、溶接機のメンテナンスや修理に使う工具も、副資材です。

備品との違い

副資材の中でも、事務用品などの消耗品を「備品」と呼ぶ企業もあります。副資材と備品に明確な区分はありませんが、資材管理は生産現場、備品管理は事務所で行うなど、管理を分けている企業もあります。

資材管理とは?

在庫・タブレット

資材管理とは、製品の生産に必要なあらゆる資材を計画的に調達し、保管から使用まで管理する業務です。生産の円滑な進行を確保し、コスト削減と品質向上を実現するために重要な役割を担っています。

資材管理の主要な仕事内容は、大きく分けると以下4通りです。

資材計画

資材計画とは、生産計画に基づいて、必要な資材の種類や数量、調達時期を予測し、購買計画を策定する業務です。需要予測や市場動向の分析をもとに、過不足なく資材を供給することを目指します。

計画が適切であれば、在庫コストの削減や資材不足による生産停止のリスクを低減し、資源の有効利用が可能になります。

資材計画では、正確な所要量計算が求められる場合もあります。例えば、リードタイムが長い資材を調達する場合は、現在庫数から生産計画での所要量を逆算していき、在庫数が適正在庫を下回る時期を予測する必要があります。その前に、ちょうど新しい資材が入荷するよう、計画的に資材を発注します。

このような複雑な資材計画には、ERP(統合業務パッケージ)や在庫管理システムなどのシステムを使用することもあります。これらを用いることで精度の高い計画立案が可能となります。

外注管理

外注管理では、資材調達先のサプライヤーの管理全般を行う業務です。サプライチェーン全体のパフォーマンスに直結する、重要な管理業務といえます。具体的には、納期の遵守や品質の確保、コストの最適化を達成するための戦略的な管理が求められます。

また、外注管理には、契約交渉やパフォーマンス評価、改善要求など、サプライヤーとの継続的なコミュニケーションとリスクマネジメントが含まれます。リスクヘッジとして複数のサプライヤーを確保し、供給の安定化を図ることも外注管理の重要な要素といえます。

在庫管理

購買後の資材の在庫管理も、資材管理の重要な業務の一つです。在庫管理が適切に行われていないと、資材の過剰在庫や不足が発生し、コストの増加や生産の停滞を引き起こします。

資材の在庫管理のために最も重要なことは、正確な在庫数の把握です。定期的な棚卸しや在庫回転率のモニタリングなどが効果的です。

物流管理

物流管理は、資材の調達から製造現場への配送など、資材の全体的な物流の流れを管理・最適化する業務です。

また、輸送コストの削減やリードタイムの短縮など、より効率的な物流を目指す業務も含まれます。具体的には、物流パートナーとの連携強化や、物流システムのデジタル化によるリアルタイムでの在庫・配送状況の追跡などが挙げられます。

資材管理の重要性

エクセルイメージ

資材管理は、企業の経営効率と収益性を左右する重要な業務です。実際に、資材管理が適切に行われることで、以下3つのメリットを得られます。

生産効率の向上

効果的な資材管理により、必要な資材が適切なタイミングで供給されると、生産活動がスムーズになり生産効率が向上します。

資材管理がおざなりだと、生産に必要な部品や原材料が生産日に足りず、生産ラインの停滞に繋がります。場合によっては、予期しない生産停止につながるケースもあります。このような事態を防ぎ、生産リードタイムが長期化しないようにすることで、製造コストの削減にも寄与します。

コスト削減

資材の過不足を防ぐことで、無駄な在庫コストを削減できます。特に、保管コストや資金の固定化を引き起こす過剰在庫の防止は、非常に重要です。

一方、資材の在庫数を極端に減らすと、欠品リスクが高まります。資材の欠品は生産の停止や遅延をもたらします。さらに、急ぎの発注は高単価での資材調達に繋がりやすく、製品原価が想定より高くなってしまう可能性もあります。

資材管理を効率化すると、これらのコストを最小限に抑えられるようになります。

加えて、外注管理の強化やサプライチェーン全体の最適化により、調達コストや輸送コストの削減も実現できます。一例として、集中購買で資材単価を下げる交渉などは、代表的なコスト削減の手法の一つです。

リスク管理の向上

資材管理においては、資材不足や供給の途絶、品質問題などのリスクの防止も重要です。

例えば、2社購買でサプライヤーを1社に依存しないようにすると、供給リスクを分散することが可能です。重要部品など、欠品リスクに備える必要がある資材においては、特にサプライヤーのリスク分散が重要です。コスト重視の資材は集中購買、リスク低減を求める資材は分散購買など、目的に応じた管理が求められます。

さらに、在庫管理を最適化することで、不良品や廃棄物の発生を抑え、環境負荷の軽減やCSR活動にも貢献できます。

資材管理の方法

管理イメージ

資材管理には、紙やエクセルのアナログな方法から、システムによる管理まで、多様な方法があります。

それぞれの方法には利点と課題があり、企業の規模やニーズに応じて最適な手法を選択することが重要です。

紙での管理

中小企業など、資材の品目数や在庫数が少ない企業では、紙での資材管理が多く採用されています。紙の在庫管理表や棚札を用意し、手書きで入出庫を記録していく方法などが代表的です。

導入コストが非常に低い管理方法ですが、情報の共有が難しい点や、人的エラーのリスクも高まる点は注意が必要です。資材発注時や入出庫時に必ず更新するルールを作り、定期的な棚卸しも行うことをおすすめします。

エクセル管理

エクセルで資材の在庫管理表を作る方法も、中小・中堅企業を中心に多く取り入れられています。関数やマクロを活用し、より複雑なデータの集計や分析を行うケースもあります。

しかし、データが増えるにつれて管理が煩雑になり、データの一貫性や正確性を保つのが難しくなることがあります。特に、複数の担当者でデータを共有する場合、誤操作やバージョン管理の問題が発生しやすくなります。

システムでの管理

在庫管理システムなどを活用すると、資材の調達から保管、使用、出荷までの一連のプロセスを一元的に管理できるようになります。バーコードやQRコードも活用すると、紙やエクセルでは難しいリアルタイムでの在庫状況の把握も可能となります。

近年は安価な在庫管理システムも増えてきているため、中小・中堅企業でもシステムによる資材管理を行うケースが増えつつあります。

資材管理のよくある悩み

考える従業員

資材管理において、多くの企業から聞く悩みや課題が5つあります。これらの問題は、資材管理が非効率になったり、エラーにつながったりする原因となるため、適切な対策が必要です。

在庫数の差異(ずれ)発生

在庫管理表と実際の在庫が一致しない「在庫差異(ずれ)」は、多くの企業が悩まされています。主な原因は、手動でのデータ入力ミス、棚卸しの不正確さ、資材の移動が適切に記録されないことなどです。

在庫数が担当者の認識とずれてしまうと、正確な資材計画の立案が難しくなります。その結果、資材不足による生産停止や過剰在庫によるコスト増加を引き起こしかねません。そのため、「発注前に現場に実在庫数を確認しに行かなければならない」という資材担当者の声もよく聞きます。

資材の誤使用や誤出荷

誤って異なる資材を使用してしまったり、客先に出荷してしまったりするミスも、資材管理のよくある悩みの一つです。特に、類似資材が多数存在する場合に発生しやすい問題です。

特に部品や原材料の誤使用は、生産ラインの停止や品質問題を引き起こすため、適切なラベリングと保管方法、定期的な監査が重要です。

数量の誤り

発注数量や納品数量の間違いは、製造工程における重大な問題を引き起こします。必要な資材が確保できないと生産の遅延や停止のリスクが高まり、余剰な資材が発生するとキャッシュフローの悪化に繋がります。

資材の紛失

資材の保管場所の記録が不十分であったり、誤配送で資材が行方不明になったりすることで、資材が行方不明になるケースもあります。場合によっては緊急発注が必要になり、コストと時間の浪費を招くことがあります。

副資材まで管理の手間がかけられない

多くの企業では、主資材の管理に集中するあまり、副資材の管理がおろそかになることがあります。しかし、副資材の欠品も生産効率に大きな影響を与えるため、管理の手間を削減しつつ、適切な在庫を維持する必要があります。

また、主資材のコスト低減は精力的に行う一方で、副資材までコストを管理できていない企業も多々あります。企業の利益を最大化するには、副資材のコスト管理も適切に行うべきです。

資材管理をシステム管理するメリット

生産管理フロー

紙やエクセルでの資材管理を行っている場合、多くの悩みはシステム導入で解決できる可能性があります。

検討できるシステムとしては、在庫管理システムや、在庫管理機能がある生産管理システムなどです。システム導入によるメリットは、以下3点です。

  1. 在庫の見える化
  2. 在庫コストの削減
  3. 資材管理の工数削減

在庫の見える化

資材管理をシステムで行い、さらにIoT端末(システムとネット接続されたハンディ端末やスマートフォン、タブレットなど)で現場での資材データをリアルタイムに更新することで、常に最新の在庫状況が把握できるようになります。今まで、資材計画のたびに現場の実在庫数を数えに行っていた資材管理担当者は、事務所から正確な在庫把握が可能となります。

リアルタイムに資材在庫を把握できるようになると、資材計画と資材発注の精緻化が可能となります。資材発注の計画立案は、担当者の手間だけでなく、発注ミスのプレッシャーなどの心理的負担も大きくなりやすい業務です。これをなくせることも、在庫見える化の大きなメリットといえます。

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在庫コストの削減

常に最新の在庫数を把握できると、資材計画や所要量計算の精度が格段に上がります。常に適正在庫を保てるようになることで、資材の在庫過多や、欠品による高単価資材の発注をなくし、必要最小限の在庫で生産できるようになります。

また、在庫管理機能がある生産管理システムを使う場合、所要量計算の自動化も可能となります。具体的には、生産計画と現在庫数を生産管理システム上で一元管理することで、将来在庫の計算が自動化できます。システムによっては、発注まで自動化できるものもあります。

具体的な事例:
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資材管理の工数削減

資材管理のシステム化で、データ入力や更新などの手作業を大幅に減らせます。主資材の管理までしかできていなかった企業は、副資材も精緻に管理できるようになる可能性があります。

また、他部門や複数の担当者で、同じデータベース上の在庫情報を共有できるメリットもあります。複数拠点の資材を管理する場合や、部門ごとに資材発注する場合に、情報共有の手間を削減できます。

多くの企業が、特に工数削減の効果を感じるのは棚卸しです。実際に、年間1000時間規模の棚卸工数を削減した例は多々あります。

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