在庫管理システムを導入するメリット|失敗しないための選び方
公開日:2020年03⽉03⽇
最終更新日:2024年08⽉29⽇
製造業や小売業、アパレル業や食品加工業など、在庫を持つ事業所において在庫管理の悩みはつきものですよね。
例えば、こんな経験がある方も多いのでは無いでしょうか。
- 在庫管理の運用ルールが定まっていないからフローに困った
- 社内の誰かが独善的に在庫管理をしているだけで共有できていない
- 急な欠品で製造できなくなってしまった
- 棚卸し時に乖離がでてしまって困った
- 在庫がなくて販売機会を逃してしまった
- 部品がなくて製造のリードタイムができてしまった
こういった問題は、在庫管理システムを利用すれば改善できる可能性が高いです。
在庫を扱っている人にとっては当たり前かもしれませんが、在庫は「現金化できる会社資産」です。
だからこそ、在庫管理は会社の経営に直接役立ち、在庫管理がしっかりできるだけで経営的な目線での評価を得られることにも繋がり、部署全体のモチベーションアップ、給与アップなど、様々なメリットも得られるかもしれません。
ここではそんな在庫管理システムの下記3点について解説しています。
- 在庫管理システムを導入するメリット
- 導入前に注意する点
- 在庫管理システムの最適な選び方
在庫管理システムを導入する5つのメリット
(1)バーコードスキャナーにより正確な在庫数がリアルタイムで分かるようになる
在庫管理システム以外の在庫管理をする方法は主に2つあります。
- エクセルによる在庫管理
- 紙への手書きによる在庫管理
これらの方法はコストがかからないお手軽な方法ですが、決定的な問題点を2つ抱えています。
- 人為的なミス(入力漏れ・ミス)
- 在庫データのリアルタイム性が低い
人為的なミスは防ごうと思ってもなかなか防げないことは誰もがご存知だと思いますが、リアルタイム性が低いといった問題点は、作業の流れ上どうしようも無いことです。
仕入れをしてから在庫表に入力するまでの時間、商品を出荷してから在庫表に入力するまでの時間、製造部品を利用してから在庫管理表に反映するまでの時間など、多くのタイムラグが発生してしまい、早く気付けば起きなかったリードタイムが発生したり、販売機会の損失が起きてしまうこともあります。
しかし、在庫管理システムを導入すれば、検品時にリアルタイムで在庫表に反映されたり、出荷時に在庫表にリアルタイムで反映されることになるため、現時点の在庫数が正確に把握できるようになります。
(2)在庫管理(棚卸)に対する作業工数の削減
在庫管理をどのようにしているかで削減できる工数は違ってきますが、エクセルに品番や日付を入力して管理していたり、手書きで管理しているのであれば、バーコードスキャナーなどのハンディー端末での在庫管理に変わると大幅に作業工数を削減できるようになる可能性があります。
ちなみに、作業工数というのは何も在庫管理をするために必要な時間だけではありません。
在庫を探す時間も在庫管理の作業工数に含まれるため、徹底した在庫を置いている場所の管理までできていると良いのですが、手書きやエクセル管理をしている場合は、入力ミスや入力漏れ、リアルタイム性の低さにより、在庫を探す時間が掛かる場合があります。
在庫管理システムを導入することで、「在庫管理に掛る時間」と「在庫を探す時間」の削減できるといったメリットがあります。
(3)ロット管理によるトレーサビリティー対応が可能になる
トレーサビリティー対応をしたいという企業は非常に多くいらっしゃいます。
しかし、従来通りの手書きの在庫管理や、エクセル管理などの場合、LOT番号などの入力が増えたり行が増えたりすることで、在庫管理に掛る作業量は2~3倍になると言われています。
もし、現場でトレーサビリティー対応を行おうとしても、本来の作業時間を削って行うことになるので、在庫管理に関わる作業工数が増えすぎて、最適な方法とはいえません。
しかし、在庫管理システムを導入すれば、「ハンディー端末などでLOT管理が容易になる」といったメリットがあり、在庫を置く場所などを間違るなどの人為的なミスを除けば、生産に使った部品がいつ仕入れたものかわかるようになり、リコールや不良があった際の対応もしやすくなるといったメリットがあります。
(4)エリア管理による在庫の見える化で誰でも入出庫ができる
在庫管理の問題の一つに「独人的な在庫管理」があり、担当している人がいなければ、どこに何があるのか分からない!いつ入ってくるか分からない!といった状態になることがあります。
実際、生産現場では独人的な在庫管理によって、他の社員では部品の場所が分からないなどといった状態になると、リードタイムが増えるなどのリスクが大きく早々に脱却しなければなりません。
更に、まだまだ問題があります。
それは、在庫管理の方法などのルールが明確になかったり、在庫管理の方法を教える手間が増えることです。
安定した現場環境を整えるためには、在庫管理の運用ルールや在庫状況などを全員で把握できるようにしておくことですが、独人的な在庫管理をしている場合はなかなかそこまでの対応は望めません。
そこで在庫管理システムを導入すれば、在庫管理の方法が定まり、リアルタイムに在庫の状況や場所を把握できるようになるので、本来の業務に集中しやすくなる等のメリットもうまれます。
(5)余剰在庫削減や自動発注ができるようになる
手書きやエクセルによる在庫管理だとどうしても乖離がでてしまうため、機械損失をしないために余剰在庫をとっていることもあるでしょう。
しかし、余剰在庫はいわば「本来必要のないもの」のため「お金の無駄遣い」と言っても過言ではありません。
特に、既存の販売・仕入れ管理システムで理論上の在庫管理しかしていない場合、入力ミスや入力漏れ、不良品などによる乖離が必ずと言っていいほどでてくきます。ただそれだけならまだましです。
近年、物のライフサイクルが短くなってきている傾向にあるため、いつどんな時に多めに仕入れたものが売れなくなるのか分からないところです。
そこで、在庫管理システムを導入することで、在庫分析がしやすくなり、消費量が減少傾向にあるかどうかの判断もしやすくなるので、余剰在庫を減らすこともでき、状況に合わせて自動発注までできるようになれば、在庫管理の手間が大幅に削減できるといったメリットを得られます。
在庫管理システムを導入する2つのデメリット
今までは5つのメリットをお伝えしましたが、ここから2つのデメリットについて触れていきます。
在庫管理システムを使えるようになるまで時間が掛かる
今まで行ってきて慣れた現場の在庫管理の運用方法はどの事業所にもあるでしょう。
しかし、在庫管理システムを導入すると運用方法が変わり、慣れるまで少し時間が掛ってしまいます。
ただ慣れてみると、今まで行ってきた在庫管理の時間が大幅に削減される可能性も高く、結果的に時間の投資を少しの期間するだけともいえます。
導入費用が掛かる
採用管理システムを導入する際、導入するための費用がかかります。
特に、手書きやエクセル管理をしていた場合は、その管理表自体にお金がかかっていないため、余計に費用が掛かることに抵抗を感じるかもしれません。
更に、在庫管理システムは機械なので、機械トラブルやシステムトラブルによる業務遅延が起こりうる可能性がゼロとは言えません。
しかし、手書きやエクセルの在庫管理表には、入力する作業員の時間や事務員の時間が見えないお金として掛っているため、実際のところランニングコストは下がる可能性があり、作業の効率化ができる可能性もあるので、単純なデメリットとはいえないかもしれません。
これで失敗しない!在庫管理システムの導入手順
在庫管理システムのメリットとデメリットについて詳しく知っていただけたのではないでしょうか。
ただ、どれだけ在庫管理システムが良いものだと思っても、導入する際の適切な手順を知らなければ効果を得られないことがあります。
その在庫管理システムの最適な導入手順というのは下記3つの流れです。
- (1)在庫管理システム導入後の最適な運用フローを考える
- (2)導入テストができる在庫管理システムを選ぶ
- (3)導入時の費用対効果を考える
なぜこの流れで導入していくのかについてここから詳しくご説明します。
(1)在庫管理システム導入後の最適な運用フローを考える
在庫管理システムを導入すると、現在行っている在庫管理の運用方法は変わります。
こんなタイミングだからこそ今一度、現状の在庫管理の問題点をブラッシュアップしていき、最適な在庫管理の運用フローを考えましょう。
それぞれの会社によって在庫管理フローは異なるはずなので、何が当たり前なのかは考えず最適だと思う運用フローを考えると、自社にとって最適なものが見つかります。
ここで最適な運用フローを考えておくと次の手順で役立ちます。
(2)導入テストができる在庫管理システムを選ぶ
世の中にある在庫管理システムは本当に様々なものがあります。
その中でも、「導入テストができる在庫管理システム」があるので、必ず一度はテストをすることを推奨します。
なぜなら、理由は2つあります。
- 導入すると少なからず問題点が浮上してくる
- 在庫管理システムオーダー後に余分なカスタマイズが増える
まず、在庫管理システムの導入テストをしてみると、「バーコード・ハンディー端末の問題点」「ラベル貼りのこと」「QRのこと」「無線の環境」等々、導入するところにもよりますが、最適な在庫管理フローを想定しつつ導入テストをすると、少なからず使いにくいところがでてきます。
ただ、この使いにくいといったポイントを探すのは非常に重要なことなのです。
導入テスト時に使いにくい場合
まず導入テストで使いにくいポイントが浮上してきたら、全てのポイントを重要度に分けてリストアップしておきましょう。
なぜなら、在庫管理システムはカスタマイズできるので、その会社ごとの問題点の解消はできることが多いです。
特に下記のような部分は、簡単にカスタマイズできるポイントとなります。
- 追加項目が必要
- 在庫の検索方法を変える必要がある
- ラベルフォーマットの変更が必要
他にも導入テスト時に、様々な問題がでてきますが、出来る限り多くリストアップしていきましょう。
これが後に在庫管理システムを導入した際の費用対効果に現れてきます。
(3)導入時の費用対効果を考える
在庫管理システムの費用対効果を決める要素は2つあります。
- 在庫管理システムの導入コスト
- 在庫管理の運用コスト
まず在庫管理システムを導入するのに導入コストがかかりますが、50万~300万、1000万円以上など、導入する在庫管理システムの機能により、料金が大幅に変わります。
ここで役に立つのが、導入テスト時に重要度を分けてリストアップした理想的な運用をするための問題点です。
導入コストはカスタマイズ内容で大幅に変わってくるため、重要度が高いところからカスタマイズすると、いくらかかるのかの見積りを取れるようになり、導入コストを下げることができるようになります。
例えば、在庫管理システムを導入する際の導入コストがかかる理由に、イレギュラー対応に対しての機能がありますが、本来そこまで重要度は高くないはずですが、特殊な機能がつくことも多く、導入コストを上げてしまう要因になっています。
ただ重要度ごとにリストアップしていると、どの機能を付け、どの機能を諦めるか等を見積額から決めることができるようになり、導入フローの改善や方針を決めることができるようになり、運用コストを計算しやすくなります。
ちなみに運用コストを計算する際は、下記のようなポイントも参考にしてください。
- 在庫管理表への入力に掛かる時間
- 誤まった入出荷の被害額や対応時間
- 棚卸に掛かる時間
- 履歴を検索したり探したりする時間
- 商品入れ替えに掛かる時間
- 社内で在庫状況の共有にかかる時間
- エクセルの在庫管理表の入れ替え時間 等々
よって、”自社の理想的な在庫管理の運用フローに近づけつつ、導入コストを下げる”ことができれば、費用対効果を上げやすくもなり、仮に導入コストが少し高くても、後々の運用コストが大幅に下がるのであれば将来的な投資として判断もしやすくなります。
ただ、スモールスタートをしてから後でカスタマイズをしていくという考え方も大切です。
まとめ
在庫管理システムを導入することによるメリットは非常に大きいですが、在庫管理を導入する際の導入コストや運用コストを天秤にかけ、費用対効果を上げられるようにすることが最も大切です。
そのためには、在庫管理システムを使った時にどんな効果が得られるのか?といったことを、実際に在庫管理システムをテスト導入してみて体験することが望ましいです。
ネクスタの在庫管理システムは、利用目的や用途から在庫管理システムのパッケージを選ぶことができ、導入支援付きのトライアル導入も可能です。
■ネクスタの在庫管理システムの一例
これらは一例ですが、目的別に在庫管理システムのパッケージがあります。詳細は、在庫管理システムのページをご覧ください。
22種類の生産管理システムをランキングで比較
初期費用相場や選び方のポイントをチェック
生産管理システムをそれぞれの特徴や初期費用相場などで比較したい場合は、「生産管理システムランキング」も是非ご覧ください。生産管理システムは、自社の製品・生産方式・企業規模などに適したものを導入しないと、得られるメリットが限定されてしまいます。事前適合性チェックや生産管理システムを選ぶ前に押さえておきたいポイントも解説していますので、製品選びの参考にしてみてください。