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HACCPの重要管理点(CCP)とは?食品製造業で不可欠な衛生管理手法を解説

重要管理点(CCP)

HACCPにおける「重要管理点(CCP)」とは、製造プロセスにおいて特に重要な管理が必要な工程や要素を指します。HACCPの導入手順の一つで、危害要因分析(ハザードアナリシス)を通して重要管理点をどこに定めるか決定します。これらのポイントを適切に管理することで、消費者の安全と製品の品質を守ることが可能になります。

本記事では、重要管理点の定義や設定方法、選定時の注意点を詳しく解説し、具体的な工程ごとの実例を紹介します。

HACCPの重要管理点(CCP)とは

HACCP

HACCPにおける重要管理点(Critical Control Point: CCP)とは、食品の安全性を確保するために必要な管理のポイントを指します。具体的には、微生物汚染、化学的危害、物理的危害などの危害(ハザード)が発生するリスクが高い工程や場所で、その危害を予防・除去・減少させるための管理手段が講じられるポイントです。

重要管理点は、HACCP導入において行う危害要因分析で決定します。重要管理点を適切に設けることにより、食中毒や異物混入といった食品の安全性に関わる問題を未然に防ぐことが可能になります。重要管理点は、製造プロセス全体の中で、科学的に最も効果的な監視と管理が必要な箇所として設定されます。

重要管理点(CCP)を定める理由

重要管理点を定める理由は、消費者の安全を確保し、製造工程での危害の発生を予防・管理するためです。また、製造プロセスの一貫性を維持することで、製品の品質を安定させることも目的としています。

消費者の安全確保

重要管理点を定める最大の理由は、消費者の安全を確保するためです。食品が消費者に届くまでの過程で発生する可能性のあるリスクを最小限に抑えることで、食中毒やアレルギー反応などの消費者の健康被害を防ぐことができます。

また、重要管理点を設定し、常時監視することで、危害要因が発生した場合でも迅速に対応し、消費者に安全な食品を提供することが可能になります。

危害の予防と管理

重要管理点を設定することで、製造過程における潜在的な危害を早期に発見し、その予防と管理を行うことが可能になります。例えば、加熱工程での適切な温度管理や受入工程での異物混入防止策など、具体的なリスクに対する対策を講じることで、問題が発生する前にリスクを抑えることができます。危害管理が適切に行われることで、製品の品質が保証され、トラブルを未然に防ぎ、食品の安全性を高めることができます。

プロセスの一貫性維持

重要管理点を設定することで、製造プロセスの一貫性を維持し、品質管理を強化できます。一定の基準に基づいてプロセスを管理することで、製品のばらつきを減らし、常に高い品質の食品を提供することができます。

また、プロセスが標準化されることで、従業員の作業効率も向上し、トラブル発生時の迅速な対応が可能となります。

重要管理点(CCP)の決め方

重要管理点を正確に決めるためには、食品製造プロセス全体を詳しく検討し、危害要因を分析することが必要です。これには、作業工程の検証、危害要因の分析、そして重要管理点の選定が含まれます。

作業工程の検証

作業工程の検証は、重要管理点を決めるための最初のステップです。

ここでは、製品が製造される一連の流れを詳細に調べ、どの段階でリスクが発生しやすいかを見極めます。特に、原材料の受け入れから最終製品の出荷まで、各工程がどのように連携しているかを確認することで、リスクが集中しやすい部分や管理すべき作業を把握します。

危害要因の分析

次に、危害要因の分析で、各作業工程に潜む具体的な危険性を洗い出します。

これには、物理的、化学的、生物学的な危害要因が含まれ、これらが消費者の安全にどのように影響するかを評価します。例えば、製造過程での温度管理不備による細菌の繁殖、化学物質の混入、異物の混入などのリスクを洗い出し、それぞれの要因に対する適切な管理方法を検討します。

HACCPにおける危害(ハザード)とは何かについては、こちらの記事で解説しています。

HACCPのハザードとは何か?製造現場でのリスク評価と安全管理の基本ガイド

重要管理点(CCP)の選定

危害要因分析で洗い出した危害要因の中から、重要管理点を選定します。

ここで、リスクが特に高く、消費者の安全に直結する工程を選び出し、その工程を重点的に監視することを決定します。選定には、科学的なデータや過去の実績を基に、リスクが発生する可能性が高いポイントを選び出すことが重要です。

重要管理点(CCP)選定の注意点

品質検査イメージ

重要管理点の選定には、いくつかの注意点があります。以下の注意点を守ることで、効果的な運用ができます。

過度な設定を避ける

重要管理点を設定する際に、過度に多くのポイントを設定すると、管理が複雑になり、現場での実行が難しくなります。管理が煩雑になると、重要な部分の見落としが発生しやすくなり、結果として製品の安全性が低下する可能性があります。

設定する重要管理点は、本当に必要な箇所に絞り、現場で確実に実行できる範囲で設定することが重要です。

科学的根拠に基づく選定をする

重要管理点は、科学的なデータや実証された手法に基づいて選定することが不可欠です。感覚や経験だけで選定すると、管理の効果が不確実になり、消費者の安全を確保することが難しくなります。

科学的根拠に基づいて設定することで、プロセスの一貫性と信頼性が高まり、安全な製品の提供が可能になります。

定期的に再評価をする

重要管理点は、一度設定すれば終わりではなく、定期的な再評価が必要です。市場の変化や新たな科学的知見、技術の進歩などによって、リスクの内容や管理方法が変わることがあります。

定期的な再評価を行い、必要に応じて重要管理点を見直すことで、常に最新かつ最適な管理が維持され、製品の安全性を確保することができます。

重要管理点(CCP)の監視と記録

食品 ベーコン

重要管理点を適切に監視し、記録することは、製品の安全性と品質を保証するために欠かせないプロセスです。以下で、重要管理点の監視方法と記録方法について詳しく説明します。

重要管理点(CCP)の監視方法

重要管理点の監視方法は、製品の安全性と品質を維持するために非常に重要です。

監視方法には、目視検査、機械的な測定、化学分析などさまざまな手法があります。どの方法を採用するかは、管理対象とするプロセスの特性やリスクレベルによって異なります。

また、監視を行う頻度やタイミングも、事前に計画が必要です。効果的な監視を行うことで、潜在的な問題を早期に発見し、迅速な対応が可能となります。

重要管理点(CCP)の記録方法

重要管理点の記録方法は、監視結果を適切に保存し、必要に応じて分析できるようにする必要があります。

記録は、紙ベースのチェックリストやデジタルシステムを使用して行い、記録内容の正確さと一貫性を維持することが重要です。また、記録されたデータは、定期的にレビューし、改善が必要な箇所の特定やプロセスの見直しに活用します。

重要管理点(CCP)の具体例

重要管理点は、製造プロセスの中で特に注意が必要な工程や手順を指します。各工程での具体例は以下の通りです。

原材料の入荷検品

原材料の受け入れは製造プロセスの出発点であり、その品質が製品全体の品質に大きく影響します。

このため、原材料の入荷検品時には、事前に定めた基準を満たしているかどうかを厳格に確認することが重要です。

例えば、食品製造の場合、原材料の鮮度や温度、保存状態などをチェックし、問題がないことを確認します。ここで不適切な材料が使用されると、最終製品に重大な欠陥が生じる可能性があるため、慎重な管理が求められます。

加熱工程

加熱工程は、製品の安全性を確保するため特に慎重な管理が必要です。加熱により細菌や病原体を殺菌し、製品の安全性を確保します。この工程での重要管理点は、適切な温度と時間で加熱が行われているかどうかを厳密に監視することです。

過剰な加熱は品質の低下を招き、不十分な加熱は安全性に問題を引き起こす可能性があるため、正確な温度管理が求められます。

冷却工程

冷却工程は、製品の温度を適切に下げることで、品質を維持し、安全性を確保するための重要なステップです。

この工程では、迅速かつ均一に冷却を行い、細菌の増殖を抑えることが求められます。冷却が不十分であったり、ムラが生じたりすると、製品の品質に悪影響を及ぼす可能性があるため、冷却装置の性能や設定温度、冷却時間の管理が重要なポイントとなります。

包装工程

包装工程では、製品を適切に包装することで、外部からの汚染を防ぎ、品質を保つことが求められます。包装資材の清潔さや密封状態の確認はもちろんのこと、包装後の製品が適切な条件下で保管されているかどうかを確認することも重要です。

特に、食品や医薬品では、包装が不適切だと、製品が外部環境にさらされ、品質の低下や安全性の問題が生じる可能性があるため、厳格な管理が必要です。

検査工程

検査工程は、製品が全ての品質基準を満たしているかどうかを最終的に確認する重要なステップです。

この工程では、製品の外観、成分、性能などを検査し、問題がないことを確認します。検査が不十分だと、欠陥品が市場に出回るリスクが高まり、企業の信頼性を損なう可能性があります。

したがって、検査機器のキャリブレーションや検査手順の遵守など、細部にわたる管理が求められます。

まとめ

HACCPシステムにおいて、重要管理点の適切な選定と管理は、食品の安全性を確保するための基本的なステップです。科学的根拠に基づく適切な設定をし、過度な設定を避け、定期的な再評価を行うことで消費者の安全を確保することができます。

HACCPの概要についてはこちらの記事で解説しているので、合わせて参照ください。
HACCPとは何か 原則や手順、資格、運用の課題と解決策について解説

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