在庫管理表をエクセルで作る方法:製造現場で使いやすい無料テンプレート付き
公開日:2020年04月23日
最終更新日:2026年05月12日

在庫管理表をエクセルで作りたい方向けに、無料テンプレートを提供します。この記事では、現場で使いやすい無料テンプレートをもとに、在庫管理表の作り方、運用のコツ、発注点管理の方法までわかりやすく解説します。具体的なエクセルシートの作成方法や便利な関数も紹介しました。さらに、複雑なエクセル管理の運用と限界、在庫管理システムへ移行する判断ポイントも紹介します。
【テンプレートDL】現場で使いやすいエクセル在庫管理表
今回は、以下のような在庫管理表をエクセルで作成します。
- シンプルで簡単 ⇒品番と商品名(商品金額)を入れるだけで、誰でも簡単に在庫管理が可能
- 在庫金額が分かる ⇒在庫量から在庫金額がわかる
- 在庫調整ができる ⇒どうしても発生してしまう在庫差異は、入出庫とは別の欄で管理
- 平均入出庫数がわかる ⇒商品ごとの物量が分かり、適正な発注が可能
自分で作るのは面倒だ!という方向けに、テンプレートも用意しています。以下よりダウンロードしてお使いください。
テンプレートダウンロード
エクセルで在庫管理を行う3つのメリット
在庫管理の方法には、紙の帳票を使う方法や、専用の在庫管理システムを導入する方法などがあります。そのなかでも、エクセルで在庫管理を行うメリットを3つ紹介します。
今すぐ始められる
エクセルで在庫管理を行う大きなメリットは、すぐに始められることです。社内のパソコンにエクセルが入っていれば、新たな機器や高額なソフトを導入しなくても在庫管理表を作成できます。
重要な項目に絞ったシンプルな表から始められるため、「いきなり難しい仕組みを入れるのは不安」という場合にも向いています。無料のテンプレートを使えば、ゼロから表を作る必要もありません。
まずはエクセルで在庫の見える化を進めたい、という現場にとって始めやすい方法です。
紙帳票よりも管理が簡単
紙帳票と比べると、エクセルは数字の集計や計算を自動化しやすく、在庫の状況の管理が簡単です。紙の帳票でありがちな記入漏れや読み間違いが起きにくく、集計に手間がかかりません。
たとえば、入庫数と出庫数を入力するだけで、現在の在庫数や在庫金額を自動計算させることができます。紙のように電卓で何度も計算し直す必要がないため、確認作業の負担を減らせます。
また、データを並べ替えたり、特定の品目に絞って表示させたりできるため、必要な情報を探しやすくなります。紙帳票よりも、正確で見やすい管理をしやすい点が、エクセルの強みです。
運用に合わせてカスタマイズしやすい
自社の業務や現場の運用に合わせて内容をカスタマイズしやすいのも、エクセルを活用した在庫管理のメリットです。状況に応じて項目の追加・削除を簡単に行うことができます。
たとえば、製造業の現場では、在庫数だけでなく、保管場所、単価、在庫金額、発注点などを管理したいケースがあります。またトラブル等があれば、別の管理項目を追加する必要も出てきます。自社に必要な項目だけを選んで表に入れられるため、使いやすい形に整えやすくなります。
まずはシンプルに始めて、必要に応じて少しずつ改善できるのは、エクセル管理の強みといえます。
紙・エクセル・在庫管理システムを比較
在庫管理の方法は、大きく「紙・手書き帳票」「エクセル」「在庫管理システム」の3種類に分けられます。どの方法が自社に合っているかは、管理する品目数や担当者数、業務の複雑さによって異なります。以下の表で、3つの方法の特徴を整理しました。
| 比較項目 | 紙・手書き帳票 | エクセル | 在庫管理システム |
| 導入コスト | 無料 | 無料〜低コスト | 月額費用が発生 |
| 使い始めのハードル | 低い | 低い | 導入設定が必要 |
| 計算・集計の自動化 | 不可 | 関数設定で可能 | 自動 |
| 複数人・多拠点での共有 | 困難 | 設定次第で可能 | リアルタイム対応 |
| バーコード読み取り | 不可 | 不可 | 対応可能 |
| 品目数増加への拡張性 | 低い | 低い | 高い |
| 入力ミスの発生しやすさ | 高い | 中程度 | 低い |
| 適した企業・規模感 | 少品目・小規模 | 中小規模のスタート | 中小〜中堅 |
エクセルは、コストをかけずにすぐ始められる点で優れた管理方法です。一方で、品目数や関係者が増えると限界が出やすくなります。まずはエクセルで在庫の見える化を進めながら、業務負担が大きくなってきた時点で在庫管理システムへの移行を検討するとよいでしょう。
現場で使いやすい在庫管理表の特徴3選
製造現場での在庫管理表は、誰が見てもすぐに内容を理解できて、迷わず記入できることが大切です。ここでは、現場で使いやすい在庫管理表に共通する特徴を3つ紹介します。
項目は最小限に絞る
最も重要なのは、記載する項目を必要最小限に絞ることです。管理の都合で記載項目を増やしすぎると、入力に時間がかかるだけでなく、記入漏れや入力ミスも起こりやすくなります。
まずは、日付、品目名、入庫数、出庫数といった、在庫の動きを把握するために必要な項目から始めるとよいでしょう。最初から完璧な表を目指すのではなく、現場で続けやすい形で始めることが大切です。
手書き・印刷でも使えるレイアウトにする
在庫管理表は、パソコンの画面上で見やすいだけでなく、印刷したときにも使いやすいレイアウトに整えることをおすすめします。現場によっては、倉庫や作業場で印刷した帳票をメモし、そのあとでエクセルに入力するケースも想定されます。
一例ですが、以下のポイントを意識しておくと、現場で活用しやすくなります。
- 1行ごとの幅が狭すぎない
- 文字が小さすぎない
- 印刷しても項目が切れない
- 入力欄と確認欄が分かりやすく整理されている
色分けや記入欄の分離でミスを防ぐ
見た目を整えることで、入力ミスや見間違いを減らすことができます。
たとえば、以下のような工夫が挙げられます。
- 現場で手入力するセルは黄色背景:入力する場所が一目でわかる
- 管理側で手入力するセルは黄緑背景:現場・管理側の入力欄を分け、誤入力を防ぐ
- 関数が入っているセルは灰色表示:誤って数式を消してしまうミスを防ぐ
実際に在庫管理表の色分けをしたものが以下の図です。色分けすることで、現場入力欄が一目でわかりやすくなりました。

また、見出し行を太字にしたり、重要な項目だけ目立たせたりすることも有効です。見た目でわかる工夫は、誰でも迷わず使える在庫管理表のポイントの一つです。
→ 【無料DL】エクセル在庫管理表テンプレートはこちら
エクセル在庫管理表の作り方
エクセルで在庫管理表を作る際、いきなり表を作り始めるのでは得策ではありません。在庫管理表を作る基本的な手順について、3つのステップに分けて紹介します。
ステップ1. 在庫管理の基本項目を決める
まず最初に、在庫管理表に記載する項目を決めます。この段階で必要な項目を整理しておくと、あとから表を作り直す手間を減らせます。
まずは、在庫の動きを把握するために必要な基本項目をそろえます。代表的な項目は、以下のとおりです。
- 日付
- 品目コード
- 品目名
- 入庫数
- 出庫数
- 在庫数
これに加えて、運用に応じて以下のような項目を入れることもあります。
- 保管場所
- 単価
- 在庫金額
- 発注点
- 備考欄
ただし、最初から項目を増やしすぎると、入力の負担が大きくなります。まずは最低限の項目で始めて、必要に応じて追加していく形がおすすめです。
ステップ2. 自動計算用の関数を入力する
項目が決まったら、自動計算させるための関数を設定します。在庫数や在庫金額などを自動で計算できるようにしておくと、在庫管理表を集計する手間を減らせます。
たとえば、在庫数量・金額は以下のような設定ができます。
- 在庫数量:前日の在庫数+入庫数−出庫数
- 在庫金額:在庫数量×単価
関数を入力することで、記入ミス・計算ミスを防止できます。使用頻度の多い欄を優先して、自動計算の仕組みを入れていくとよいでしょう。
関数に慣れていない場合でも、基本的な関数から使い始めれば十分です。本記事の後半でも、在庫管理表で活躍する便利な関数を紹介しています。
ステップ3. 見やすい表の形に整える
最後に、作成した在庫管理表を見やすく整えます。同じ内容の表でも、見た目が整理されているだけで、使いやすさは大きく変わります。
- 見出し行を太字にする
- 手書きで追記できるように、文字の大きさや余白を作る
- 印刷した時に1ページに収まるように、列幅をそろえる
ただし、見やすさにこだわるのは、最後のステップです。3つのステップの順番で作成することが、現場で使いやすい在庫管理表を作る近道です。
↓まずはテンプレートから始めたい方はこちら
テンプレートを使わずに在庫管理表を作る詳しい手順
エクセルで一から在庫管理表を作る方法を、順に説明します。
▼動画でも解説しています▼
1.各種項目を入力する
下の画像を参考に、各項目名を入力してください。

2.日付を入力する

上記黄色セルのように、棚卸日を入力する欄を作ると、棚卸しで在庫数量が正確に把握してからの在庫の推移を記録しやすくなります。
在庫数の推移を記録するため、棚卸日以降の年間の日付が自動入力されるようにしていきます。まず、上記赤枠の「H5」セルの書式を日付に設定するため、右クリックから『セルの書式設定』を選択します。

日付を選択して、お好みの日付の種類を選んだら『OK』をクリックします。

次に、H5のセルに棚卸「翌日」の日付を自動入力するようにします。H5セルに『=G5+1』と入力し、棚卸日プラス1日の日付を表示させるようにします。

これで、黄色セルに棚卸日を入力すれば、右隣に棚卸日の翌日が表示されるようになります。
さらに表を分かりやすくするため、日付の上に曜日を表示していきます。H4セルを右クリックし、先程と同様に右クリックで『セルの書式設定』を表示し、『ユーザー定義』の「種類」の欄に『aaa』と入力します。「aaa」は、エクセルの書式設定で曜日を表示してくれるようになる記号です。
ここまで設定できたら、右下のOKをクリックし、画面を閉じます。

これでH4セルは、入力した日付の曜日を自動的に表示するセルになりました。
その後、H4のセルに『=H5(棚卸日の翌日が表示されるセル)』と入力し、棚卸翌日のセルを参照できるようにます。

これで日付を入力すると自動的に曜日が入力できるようになりました。
翌日の日付と曜日が入力できれば、1年分の日付も自動入力できるように、オートフィルで1年分コピーをしてください。

H4とH5のセルを選択し、上記青色の部分にカーソルを合わせて横にドラッグ・コピー(オートフィル)すればOKです。

※半年ごとに棚卸を実施する場合は、1年分ではなく半年分で作成すると、より管理しやすくなります。自社の状況に合わせてご利用ください。
3.日々の在庫数を自動計算する
在庫管理表の大枠ができたら、さらに在庫数を自動計算できるようにしていきます。
以下のように「入庫」「出庫」「調整数」の欄に、在庫の動きを入力し、「在庫」という欄にその日の在庫数が表示されるようにします。

上記赤枠の、H9セルに計算式を入力します。 日々の在庫は「前日の在庫」+「入庫」-「出庫」+「(+-)調整」となりますので、H9のセルに『=G9+H6-H7+H8』と入力します。

その後、先程と同じようにH9のセルを選択し、日付の最後の列までオートフィルで横にドラッグしてコピーします。

これで日々の「入庫」「出庫」「調整」を入力すると、その日の在庫が表示されるようになりました。
さらに、最新の在庫数をひと目で分かりやすく表示する欄を作ります。まず、C6~C9セルを選択し、セルの書式設定より結合します。

この結合したセルに、最後の日付の在庫を参照できるようにします。以下の場合ですと、最後の日付の在庫数セルはNI9ですので『=NI9』と入力します。


これで日々の入出庫を入力すれば、ひと目で在庫が分かる状態になりました。
4.在庫金額を自動計算する

今度は、在庫金額を自動計算できるようにします。各製品ごとに品番、品名だけでなく、以下の黄色の部分に単価を入力できる欄を設けます。
今回は、下記赤枠の部分に、各製品の在庫金額が表示されるようにします。先程と同じ手順で、セルを結合しておくと見やすくなります。
在庫金額は「単価」×「在庫数」で算出できるので、D6セルに『=B9*C6』と入力します。

これで、各製品ごとの在庫金額が分かるようになりました。
5.平均を表示する
製品ごとの在庫の流れをわかりやすくするために、入出庫数の平均を表示するように設定するのもおすすめです。下記赤枠に、「入庫」「出庫」「調整」「在庫」それぞれの平均を求めていきます。

平均を求める際は、AVERAGE 関数を利用します。
まずは入庫の隣のセル「F6」に『=AVERAGE(H6:NI6)』と入力します。「H6:NI6」は、日付の始まりから終わりまでを参照しています(半年など、異なる期間で作成する場合は適宜調整)。
「出庫」「調整」「在庫」の平均値も同様に入力します。既にAVERAGE 関数を入力したF6セルから、オートフィルを使いF9までドラッグしてコピーすれば、簡単に数式をコピーできます。
6.製品情報の入力欄を追加する
各製品情報を入力する6~9行をまとめて選択し、コピーします。

10列以降に、必要な製品数の分だけペーストすればOKです。

7.累計在庫金額を自動表示する
最後に、C3に作成した赤枠のセルに累計在庫金額を入力します。以下画像でも、見やすいように赤枠のセルを結合しています。

累計在庫金額を求める際は、SUM 関数を使用します。各製品の在庫金額が入力されているのはD列なので、『=SUM(D:D)』と入力します。

これで、累計在庫金額が表示されるようになり、在庫数と金額を簡単に管理できる在庫管理表の完成です。
複数人で在庫管理表を扱う場合は、更新日の欄も作っておくと安心です。その際、累計在庫金額の計算式に使用した列(今回であればD列)を避けるようお気をつけください。
以下の例ですと、E列に更新日の記入欄を設けています。

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エクセル在庫管理表で発注点を管理する方法
在庫管理表の活用方法は、今ある在庫数を把握することだけにはとどまりません。在庫が少なくなってきたタイミングを早めに把握し、欠品する前に発注できる状態にすることも重要です。
ここでは、発注点管理の考え方と、エクセルで発注点を設定する方法について紹介します。
発注点管理とは
発注点管理とは、在庫数があらかじめ決めた数量を下回ったら発注する管理方法です。
たとえば、ある部品の在庫が10個以下になったら発注すると決めておきます。これにより、発注の判断を担当者の経験や勘だけに頼らず、ルールに沿って発注できるため、発注漏れや欠品を防ぎやすくなります。
特に製造現場では、部品や材料が不足してから発注してもすぐに納入されず、生産に影響が出るケースがあります。このため、納入リードタイムの長い部品や材料は、余裕を持った発注点管理が必要です。
定量発注方式とは
定量発注方式とは、発注するときの数量をあらかじめ一定に決めておく方法です。
たとえば、在庫が発注点を下回ったら、毎回50個発注する、といった運用がこれにあたります。
発注点管理は発注するタイミングを決める考え方であるのに対し、定量発注方式は発注する数量を決める考え方です。この2つを組み合わせることで、発注のタイミングと数量の両方をルール化できます。
発注数量は、使用量や納入リードタイムによって変わります。そのため、まずは過去の使用実績を見ながら、無理のない数量を決めることが大切です。
安全在庫を設定する重要性
発注点を設定する際は、安全在庫(Safety Stock)の考え方も取り入れると管理精度が上がります。
安全在庫とは、需要の変動や納入リードタイムのばらつきに備えて確保する最低限の在庫量のことです。発注点は「安全在庫+発注リードタイム中の平均使用量」をもとに設定するのが基本です。製造現場では部品の調達リードタイムが長いケースもあるため、安全在庫を加味した発注点管理が欠品防止に直結します。
エクセル在庫管理表で発注点を設定する方法
エクセル在庫管理表で発注点を管理する場合は、在庫数とは別に「発注点」の記入欄を設けます。
例えば、下図の無料DLテンプレートでは、F6セルに次の式が入力されています。
=IF(D6<=C9,”要発注”,””)

これにより、在庫数が発注点を下回ったときに、自動的に「要発注」と表示されるようになります。
条件付き書式を使って「要発注」と表示されたときに目立たせるようにすれば、さらに見やすくなります。具体的には、以下の図のように設定を行います。

このように、エクセルでも発注点管理することは可能です。ただし、品目数が多くなったり、複数人で同時に管理したりする場合は、ミスが発生しやすくなります。まずはシンプルに始めつつ、運用の負担が大きくなってきたら管理方法の見直しが必要です。
→ 発注点管理に対応したエクセル在庫管理表をダウンロードする
在庫管理で役立つエクセル関数一覧
エクセルで在庫管理表を作る場合、関数を使うことで計算や確認の手間を減らせます。特に、平均を求める、条件に応じて表示を変える、別の表から情報を呼び出すといった処理は、在庫管理でよく使います。
ここでは、在庫管理表で役立つ代表的な関数を、使いどころとあわせて紹介します。
SUM関数:合計を求める
SUM関数は、数値の合計を求めるための基本的な関数です。在庫管理では、入庫数の合計、出庫数の合計、在庫金額の合計などを計算するときに使います。
たとえば、1か月分の入庫数をまとめて集計したい場合や、各商品の在庫金額を合計したい場合に便利です。在庫管理表の中でも使う場面が多く、まず最初に覚えておきたい関数といえます。

AVERAGE関数:平均を求める
AVERAGE関数は、指定した数値の平均を求める関数です。在庫管理では、平均在庫数や平均出庫数を確認したいときに役立ちます。
たとえば、日ごとの在庫数から平均値を出せば、在庫を持ちすぎていないか、少なすぎないかの目安になります。仕入れや発注の判断材料として、平均値を見ておくと管理しやすくなります。

IF/IFS関数:条件によって表示を変える
IF関数とIFS関数は、条件に応じて表示内容を変えたいときに使う関数です。発注点を意識した在庫管理では、在庫数が一定以下になったら「要発注」と表示するといった使い方ができます。
IF関数は条件が1つの場合に向いています。一方で、IFS関数は「少ない」「適正」「多い」のように、複数の条件で表示を分けたい場合に便利です。在庫の状態を一目でわかるようにしたいときに活躍します。
たとえば、F列が発注点未満なら「要発注」、発注点以上なら「在庫あり」と表示したい場合、J6セルは以下のようになります。

SUMIF/SUMIFS関数:条件に合う数値を合計する
SUMIF関数とSUMIFS関数は、条件に合ったデータだけを合計したいときに使います。在庫管理では、特定の商品だけの入庫数を合計する、特定の倉庫にある在庫だけを集計するといった場面で役立ちます。
SUMIF関数は条件が1つの場合、SUMIFS関数は条件が複数ある場合に使います。商品別、倉庫別、期間別などで数字を見たいときに便利な関数です。
例えば、J列で「要発注」の品目の「現有在庫数」が知りたい場合、F7セルは以下のようになります。

COUNTIF/COUNTIFS関数:条件に合う件数を数える
COUNTIF関数とCOUNTIFS関数は、条件に合うデータの件数を数える関数です。
在庫管理では、「要発注」と表示された商品が何件あるか、在庫数が0の商品が何件あるかを確認したいときに使えます。
COUNTIF関数は条件が1つ、COUNTIFS関数は複数条件で件数を数える場合に向いています。在庫の問題がどれくらいあるかを一覧で把握したいときに便利です。
例えば、J列の「要発注」と表示されている在庫が何件あるか知りたい場合、J7セルには次の式を入力します。

AND/OR関数:条件判定に活用する
AND関数とOR関数は、複数の条件を組み合わせて判定したいときに使います。在庫管理では、IF関数と組み合わせて使うことが多く、複数条件をもとに発注の要否を判断するときに役立ちます。
AND関数は、複数の条件がすべて当てはまる場合に使います。一方、OR関数は、複数の条件のうちどれか1つでも当てはまればよい場合に使います。たとえば、「在庫が少ない」かつ「発注点を下回っている」場合に警告を出す、といった設定が可能です。
IF関数と組み合わせて使うことが多いです。例えば、J列で「要発注」となっている在庫のうち、G列の単価が10000円以上のものに「要確認」と表示したい場合、以下のように入力します。

ROUND関数:小数点以下を整える
ROUND関数は、小数点以下を四捨五入して見やすく整える関数です。在庫管理では、在庫金額や平均値の表示を見やすくしたいときに使います。
たとえば、計算結果が細かい小数になってしまうと、表が見づらくなることがあります。
そのようなときにROUND関数を使えば、必要な桁数にそろえて表示できます。数字を見やすくするための補助的な関数として便利です。
VLOOKUP/XLOOKUP関数:別表から情報を呼び出す
VLOOKUP関数とXLOOKUP関数は、別の表にある情報を自動で呼び出す関数です。在庫管理では、商品コードを入力すると商品名や単価を自動表示するといった使い方ができます。
たとえば、商品マスタを別表で管理しておけば、在庫管理表に毎回商品名を手入力しなくても済みます。入力の手間を減らせるだけでなく、商品名の表記ゆれや入力ミスの防止にもつながります。
なお、XLOOKUP関数はVLOOKUP関数よりも新しく、検索の自由度が高い関数です。ただし、古いエクセルでは使えない場合もあるため、共有する環境に応じて使い分けるとよいでしょう。
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エクセル在庫管理表の運用ポイント4選
エクセルの在庫管理表の作成はスタート地点であって、日々の運用決めがカギを握ります。表そのものを作りこんだとしても、すぐに使われなくなるケースも少なくありません。
ここでは、特に製造現場において、エクセル在庫管理表を安定して運用するために押さえておきたいポイントを4つ紹介します。
いつ入力するかを決める
在庫管理表の運用で最も大切なのは、いつ入力するかを決めることです。入力のタイミングが決まっていない場合、記入漏れが起こりやすくなり、管理表の在庫数と実在庫数が合わなくなる原因になります。
たとえば、入出庫の都度現場で入力するのか、作業の終わりにまとめて入力するのかを決めておくだけでもよいでしょう。
大切なのは、誰が見ても同じ方法で在庫管理表を更新できる状態にすることです。現場にとって無理のないルールを決め、迷わず続けられるタイミングがよいでしょう。
数式が壊れないように保護する
エクセル在庫管理表では、在庫数や在庫金額を自動計算するために関数を使います。数式の入ったセルを誤って上書きすると、計算結果が正しく表示されないだけでなく、表全体の信頼性が下がってしまいます。
そのため、数式が入っているセルは、編集できないように保護しておくことが大切です。例えば、以下のエクセルシートの場合、次の画像中の①~⑦の手順で保護することができます。


入力が必要なセルだけを編集可能にし、それ以外のセルは変更できないようにしておけば、誤操作を防ぎやすくなります。
複数人で使うなら保存ルールを決める
在庫管理表を複数人で使う場合は、あらかじめ保存ルールを決めておきましょう。一例ですが、決めておきたいルールは次の通りです。
- いつ、どのファイルを使うのか
- 誰が更新するのか
- どこに保存するのか
このルールが曖昧だと、古いファイルや別々のファイルに入力してしまい、在庫管理表の一元管理ができなくなってしまいます。以下のような基本ルールを決めておくとよいでしょう。
- 共有フォルダ内に保存する
- ”XXXXXXXX_260501.xlsx”のように末尾に日付をつけてバージョン管理する
※混乱を防ぐため、「最新」という文言は使わない
- 共有フォルダ内の最新の日付のファイルを使う
- 更新後は上書き保存する
- 個人のパソコンには保存しない
- 誰がいつ更新したのかが分かるように、更新日や更新者を記録する欄を設ける
あわせて、万が一に備えてバックアップを取ることも大切です。定期的にコピーを残しておけば、上書きミスやファイル破損などのトラブル時に復旧しやすくなります。
クラウドでファイル管理する
在庫管理表をより安全に運用したい場合は、クラウド上でのファイル管理も有効です。パソコンの共有フォルダでは上手く管理できないケースでも、ファイルを管理しやすくなります。
また、パソコンの故障やファイル破損が起きた場合でも、データ消失リスクを減らすことができます。複数の拠点や担当者で同じ在庫管理表を扱う場合には、ファイルの受け渡しがスムーズになるでしょう。
ただし、自由に編集できる状態では、意図しない変更が起こることもあります。そのため、読み取り専用の推奨設定を行い、編集時以外は読み取り専用で開く等の運用が有効です。
ファイルを開く際に、読み取り専用で開くかどうかのチェックボックス設定は、以下の手順で設定できます。

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エクセル在庫管理表から卒業すべきタイミングとは:移行すべき3つのサイン

エクセルは、在庫管理を手軽に始められますが、取扱品目や管理人数が増えてくると、運用が難しくなる場面も出てきます。
ここでは、エクセル管理から卒業を検討すべき代表的なサインを3つ紹介します。
行数が増えすぎて動作が重い
在庫管理表の行数が増えてくると、ファイルを開くのに時間がかかったり、入力操作の反映が遅れたりすることがあります。特に、取扱品目が多い場合や、過去の入出庫履歴を同じファイルに長期間保存し続けている場合は、この傾向が強くなります。
動作が重くなると、必要な情報を探すだけでも時間がかかり、現場での使い勝手が悪くなります。更新のたびに待ち時間が発生すると、入力そのものが負担になり、記録漏れの原因にもつながります。
エクセル在庫管理表の動作が重いと感じる場合は、エクセルでの運用が限界に近づいている可能性があります。
同時編集がうまくいかない
在庫管理を複数人で行う場合、同じファイルを同時に使いたい場面が増えてきます。しかし、他の担当者が開いていると編集できない、あるいは別々に保存して混乱を招くといった問題が起こるケースもあります。
クラウド運用では同時編集も可能ですが、アクセスする担当者が多くなると更新が競合して運用が破綻する場合もあります。
エクセルの在庫情報の一元管理に課題が出てきた場合は、エクセル以外の管理方法を検討するタイミングといえるでしょう。
入力ミスで集計に手間がかかる
エクセル在庫管理表は、手入力が多くなりやすいため、入力ミスや更新漏れが起こりやすくなります。
数量の打ち間違い、品目名の表記ゆれ、数式の上書きなどが重なると、集計結果が合わなくなってしまいます。その結果、本来であればすぐ終わるはずの集計や確認作業に時間を取られ、現場や管理部門の負担が大きくなります。
在庫差異の確認や修正に手間がかかりすぎる場合は、管理方法そのものを見直すべき段階に入っている可能性があります。
在庫管理システムへ移行するメリット

エクセルの在庫管理表は、在庫管理を手軽に始められますが、複雑な管理・運用には限界があります。
こうした環境では、エクセル管理表から在庫管理システムへ移行すべきタイミングと言えます。ここでは、在庫管理システムへ移行する主なメリットを3つ紹介します。
複雑な在庫データを扱いやすい
在庫管理システムの大きなメリットは、複雑な在庫データも容易に扱えることです。
エクセル管理では、品目や履歴が増えると、必要な情報を探しにくくなります。しかし在庫管理システムでは、複雑な管理ルールにも対応でき、多くの在庫情報を一元的に管理できます。
複数の条件を指定したデータ検索を簡単にできるため、確認や集計の手間も減らせます。多くの関係者で共有する場合でも、更新の競合やデータ消失などのトラブルが発生しません。
無料の在庫管理システムや、システムの自作も検討される場合は、こちらも併せてご参照ください。
製造業向け/無料の在庫管理システム11選【有料化判断チェックリスト付】
自作在庫管理システムで業務効率化:エクセルでの構築方法やポイントも解説
バーコード読み取りで入力ミスを撲滅できる
在庫管理システムの中には、バーコードを読み取って入出庫を記録できるものがあります。エクセル管理でミスが発生しやすい手入力が不要となり、入力ミスや記録漏れを防げます。
また、現場で素早く記録できるため、入力作業の負担を減らしながら、より在庫管理の精度を上げることが可能です。特に、入出庫の回数が多い現場では、効果を感じやすいでしょう。
ロケーション管理等にも対応できる
在庫管理システムは、在庫情報と保管場所をセットで管理するロケーション管理にも対応しやすいメリットがあります。
製造現場では、倉庫、棚、エリアなど複数の場所に在庫を保管しているケースも少なくありません。エクセルのみで、在庫数量と位置情報を正しく反映し続けることは難しいものです。
ロケーション管理に対応した在庫管理システムであれば、カンタンに在庫数量・保管場所をセットで記録できます。在庫数量管理だけでなく、保管場所まで管理したい場合には、在庫管理システムの導入は効果的です。
また、ロット管理や期限管理といったより複雑な管理も、在庫管理システムでは簡単に実現できます。
在庫管理システムの導入事例
当社の生産管理システムSmartFの在庫管理機能を活用するユーザーには、エクセル管理からの脱却に成功した企業も多数あります。ここでは、実際の導入事例を2つ紹介します。
組立品業界:脱・紙エクセルで半年の棚卸工数を1000時間規模で削減
ある小型ポンプメーカーにおいて、紙・エクセルの在庫管理からシステム化によって、手間・ミスを削減した事例です。同社はエクセルで在庫管理を行っていましたが、急な生産調整や共通部品管理の難しさから、理論在庫・実在庫が乖離する課題がありました。
そこで同社は、SmartFの在庫管理機能と現場向けハンディ端末の運用を導入されました。リアルタイムな在庫管理を実現し、常に正確な在庫数を把握できるようになりました。その結果、発注ミス防止や棚卸工数の削減に成功し、半期棚卸では1000時間規模での工数圧縮となりました。
SmartF導入事例:【在庫管理システム】半年の棚卸工数を1000時間規模で削減
化粧品業界:脱エクセル化で発注工数75%削減
エクセル管理と基幹システムへの手入力管理をしていた企業様の事例です。購買担当者3名で在庫管理をしていたが、経験則に依存するエクセル管理に限界を迎えていました
そこで、既存の基幹システムを活用しつつ、生産管理システムSmartFを導入により在庫量や所要量計算を自動化。欠品・入荷などの予定の見える化が実現し、発注工数は75%削減されました。さらに、現場・購買の連携が強化され、将来在庫予測などの高いレベルの管理も実現しています。
SmartF導入事例:【在庫・発注管理システム】脱エクセル化で発注工数75%削減
複雑な在庫管理なら、生産管理システム「SmartF」

エクセルの在庫管理に限界を感じ、低コストなシステム導入を検討したいフェーズになった企業には、生産管理システム「SmartF」の在庫管理機能がおすすめです。たとえば、以下のような機能を備えています。
- 在庫データのバーコード読み取りによる自動入力
- 在庫・生産計画・発注の一元管理:将来在庫や発注点の自動計算で欠品/過剰在庫を抑制
- 他部門・多拠点との情報共有:全拠点の在庫・引き当て状況をリアルタイムで見える化
初期費用を抑えたトライアル導入も可能なので、自社で運用しやすいか確認することもできます。
⇒トライアル可能な在庫管理システム「SmartF」について
よくある質問
-
エクセルの在庫管理表は無料で使えますか?
-
はい、エクセルがインストールされているパソコンがあれば、無料で在庫管理表を作成できます。本記事で紹介しているテンプレートもダウンロード無料です。ゼロから作る手間なく、すぐに使い始めることができます。
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在庫管理表と在庫管理システムの違いは何ですか?
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在庫管理表は、エクセルや紙で在庫の入出庫を記録・管理するためのシートです。在庫管理システムは、バーコード読み取り・自動計算・他部門との情報共有などの機能を持つ専用のソフトウェアです。品目数が少なくシンプルな管理であればエクセルで十分ですが、複雑な管理が必要になってきたタイミングでシステムへの移行を検討するのが一般的です。
-
エクセルで在庫管理するときにまず覚えるべき関数は?
-
最初に覚えておくと便利な関数は、合計を求めるSUM関数と、条件によって表示を切り替えるIF関数の2つです。在庫数の自動計算と発注アラートの設定がこの2つで対応できるため、まずこちらから始めることをおすすめします。
-
エクセルで複数人の同時編集はできますか?
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クラウドストレージ(OneDriveやGoogleドライブなど)を使えば、複数人で同じファイルを同時に編集することは可能です。ただし、同時に多くの担当者がアクセスする場合は更新が競合するリスクがあります。担当者数や拠点数が増えてきた場合は、在庫管理システムへの移行を検討するタイミングです。
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