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元アイシン精機情報システム部長に、製造業DXについてのインタビュー

~お話を伺った専門家~
NGS (Next Generation System) 代表 川勝 務

アイシン精機株式会社にてトヨタ系列の工場最適化に従事。
現場で起きていることをデータ化することで、改善の品質とスピードを高めることに成功する。
入社当初はオフィスでシステム構築などに専念していたが、約6年ほど工場に在籍し、現場担当者と一緒に現場改善やシステム導入を推進した経験を持つ。
現在は、Next Generation Systemの代表を務めるほか、上場企業数社の顧問を担当。

 

製造業DXの本質とは、データを中心に据えてビジネスをしていくこと。

グローバル化により変化の激しさが増す中、どのようにしてお客様から選ばれる工場になるのか。
システムの導入と言われるが、どうしてそれに取り組む必要があるのか。
その際に、どのようなことに注意する必要があるのか。
長年、大手自動車メーカーの工場最適化を手がけ、現在は各企業の顧問を担う川勝務氏。
彼曰く、「システム導入の本質とは、データを中心に据えてビジネスをしていくこと」だそうだ。どういうことか?

たとえば、注文から出荷までの流れを、一気通貫で”見える化”することが挙げられる。
小規模な工場であれば、システム導入などせずとも、逐一現場と連携して情報を確認すればいいと考える方も多いかもしれない。
しかし、逆に言えば、毎回毎回、現場従業員を呼んで確認しないといけない。
もし、現場で起きていることを、データで手元で管理できていれば、わざわざ現場従業員の手をとめて確認する必要はない。

「現場で起きていることを目で見て管理するには限界がある。そこに行かないとわからないんです。その代わりに、データを中心に据えて、現場で起きていることをデータでリアルタイムにトレースできるようにする。”写像”のイメージです」と、川勝氏は語る。

また、データを活かすことで、改善の精度やスピードも向上する

「なんとなく、不良品が多い」「なんとなく、納期が遅延しがち」ではなく、「先週の不良品の発生率は15%だった」「納期が平均1.5日遅延している」というように、現場で起きている問題を具体的に捉えることができるのだ。
これらの数字も手元のパソコンなどから逐一確認できるので、問題を特定するためにわざわざ会議を開催したり、現場従業員を呼んだりする必要もない。

さらに、データを中心に据えると、プロセスや体制に依存することがない

そのため、仮に従業員の配置転換など体制が変わったとしても、影響を最小限に抑えてビジネスを継続することができるのだ。

「たとえば、工場の管理者が変わったら、プロセスなどもすべて変わってしまうかもしれません。それにより、現場を把握するための体制なども大幅に変える必要があるかもしれません。一方、データを中心に据えると、仮に体制が変わったとしても、大きな悪影響は受けづらい。なぜなら、データは変わらずに現場で起きていることを表し続けているからです」。

 

グローバル化などの影響により、改善の品質とスピードを高めないとお客様には選ばれない。

ではなぜ、工場において改善スピードが求められるようになってきたのだろうか?
川勝氏は次のように語る。

「グローバル化、価値観の多様性、市場変化の早さ、などにより、顧客満足を実現するための条件が年々厳しくなってきました。まずはグローバル化により、今や日本の工場は東南アジアなど人件費が比較的安価な工場などと競争しなくてはなりません。また、消費者の価値観も多様になってきましたし、何より飽きられるのが以前よりも早くなってきました。メーカーとしても、速いサイクルで市場のニーズに応える製品を提供する必要があります。このような中で、改善の品質とスピードは、お客様に選ばれるための重要な要素なのです。」

もし、自身の工場が圧倒的な安価で製品を提供できたり、他社の誰にも真似のできない唯一の技術などがあれば、改善の品質とスピードの優先順位は多少落ちるかもしれない。
しかし、実際は、多くの工場が日々改善をしながらお客さんの期待に応えている。
ということは、改善の品質とスピードで他社に劣っていれば、顧客満足も他社に比べて低くなってしまうということではないだろうか。

 

システム導入だけでは、うまくいかない。

とはいえ、「システムだけ導入しても、うまくいくことはほとんどありません」と川勝氏は言う。
まずは、現場従業員からの理解を得ることが大切とのことだ。

「誤解されやすいのですが、工場にシステムを導入するということは、人によっては”自分の役割がシステムに置き換わってしまう”と捉える方もいます。そうではないのです。人間の役割をもっと活かすためにシステムを導入するのです。

「近年ではAIの進化など言われていますが、私の知る限り、現場従業員の役割をAIが完全に担うことはここ数十年では不可能です。考慮すべき変数が多すぎるのです。たとえば、何か問題点が発生した際に、熟練の現場従業員ならすぐに”ピンとくる”はずです。もかしたら、あそこに原因があるかもしれない、と。これは熟練した現場従業員だからこそできることです。ということは、もしシステムを導入して、問題点などがデータでリアルタイムでわかるようになると、彼ら、彼女らの強みはもっと活かされることになります」

そういうことを、役員がちゃんと現場に説明して、理解を得る必要があるとのことだ。
これは役員など経営者だからこそできる役割である。
そうしないと、システムは導入されたが使われず、費用だけが発生していくということになりかねない。

他にも、システム導入を行なうべきではない部分もあるという。
自社の特別なノウハウなどを持っている部分だ。システムを導入・自動化するということは、プロセスの「標準化」をするということでもある。
言い換えれば、標準化されたプロセスは、他社に真似をされやすくもなる。

 

システム会社の営業担当者を信頼できるか?

システム導入の重要性を理解したとしても、いざ導入するとなると、いろいろとわからないことが多いのではないだろうか。
インターネット上で注文ボタンを押すだけでシステムが導入されるものでもない。
そこで重要になってくるのが、そのシステムの担当営業だ。
自社の工場における課題などに応じて、最適なシステム導入のプランを提案してくれるはずである。

目の前の営業担当者が信頼できるかを確かめるために、「なぜ工場の情報をデータ化する必要があるのか?どんな情報を、どのようにデータ化すればいいのか?」と質問してみるのも良いとのことだ。

しっかりとした知識のある営業担当者であれば、真摯に回答してくれるであろう。
もちろん、営業担当者はすべての工場や製造業に詳しいわけではないので、正解を答えることはないだろう。
しかし、その答え方や、考え方のプロセスなどをみると、しっかりと考えているシステム会社かどうか、少しは見抜けるはずだ。

今回は、なぜ工場がシステム導入を行なう必要があるのかについて、トヨタ生産方式の工場最適化に知見をもつ川勝氏に話を伺った。
昨今の感染症による不安定な状況をうけて、継続的なビジネスの成功のためには、顧客満足度はますます重要になりつつある。
今一度、自社の競争力を高めるために、システム導入を検討してみるのも良いのではないだろうか。

川勝 務(かわかつ つとむ)

☆ 経歴
  ・ 1947年6月10日      愛知県美浜町時志 生まれ
  ・ 1971年3月        名古屋工業大学電気工学科卒業
  ・    同  4月        アイシン精機 入社 (情報システム部(当時資料室)配属
  ・ 1991年         アイシン精機 課長会会長
  ・ 1991年9月~1997年    アイシン精機 機関系事業部 西尾第2工場 主査(次長)
  ・ 1999年1月        同社    情報システム部長 
  ・ 2003年6月        同社    参与(役員待遇)
  ・ 2005年7月~2007年6月  日本IBMユーザー研究会中部研 会長
  ・ 2006年7月~2007年6月  日本IBM全国ユーザー研究会連合会 副会長
  ・ 2007年6月~2012年6月  アイシン・インフォテックス(株) 取締役社長
  ・ 2008年7月~2009年6月  日本IBM全国ユーザー研究会連合会 会長・顧問 
  ・ 2010年4月~2012年4月  日本情報処理学会東海支部 副支部長・支部長  
  ・ 2013年1月~現在     NGS創業(システムコンサルタント・構築、人材育成)

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