BOM(部品表)とは 種類・作り方・管理方法をわかりやすく解説
最終更新日:2026年06月22日

BOM(部品表)とは、製品を構成する部品や材料の品目と数量をまとめた一覧表です。設計から購買、製造、保守まで、ものづくりのあらゆる工程で参照される基礎データになります。
この記事では、BOMの方式や用途別の種類、エクセルでの作り方、管理を効率化する方法までを具体例つきで解説します。生産管理システムを活用した効率化のイメージも紹介します。
BOMとは
BOMは「Bill of Materials」の略で、日本語では部品表と呼ばれます。まずは言葉の意味と、製造業で果たす役割から整理します。
BOMの意味と読み方
BOMは「ビーオーエム」または「ボム」と読みます。製品を1つ完成させるために必要な部品・材料の品目と数量を、一覧の形にまとめたものです。たとえば自転車であれば、フレーム・タイヤ・チェーン・ネジといった構成要素と、それぞれの必要数を記載します。
製造業では、このBOMをもとに必要な部品の調達や組み立て工程を行います。生産管理や調達管理を効率化するために欠かせない情報の一つといえます。
BOMには、以下のような情報が記載されており、製品の設計から生産、在庫管理、保守・修理まで幅広い工程で活用できます。
BOM(部品表)に記載される主要な情報
- 部品の名称
- 型番
- 使用数量
- 単位
- 材質
- 使用箇所
- サプライヤー情報など
BOMは単なる買い物リストではありません。設計の意図や組み立ての順序を表す、ものづくりの設計図のような役割を担います。
部品表と部品構成表の違い
BOMは大きく2つの表現方法に分かれます。部品を平らに並べる部品表と、親子の階層で示す部品構成表です。
部品表は、製品に使う部品をフラットに一覧化したものです。何が何個必要かを把握しやすい形式になります。
部品構成表は、完成品とユニット、部品の関係を階層で表したものです。どの部品がどの組立品に属するかが一目で把握しやすくなります。
製造業でBOMが果たす役割
BOMは、設計・購買・製造・原価計算をつなぐ共通言語として機能します。各部門が同じBOMを参照することで、認識のズレを防ぎやすくなります。
具体的には、次のような業務の土台になります。
BOMの精度が低いと、欠品や過剰在庫、原価のズレといった問題が連鎖的に発生します。BOMはものづくりの精度を左右する重要なデータといえます。
BOMの方式
BOMの表現方法には、大きくサマリ型・ストラクチャ型・ハイブリッド型・パラメトリック型の4つがあります。製品の複雑さや仕様のバリエーションに応じて使い分けるのがポイントになります。
サマリ型部品表の特徴

サマリ型は、製品に必要な部品を階層なしで一覧にまとめた方式です。部品名と必要数量がシンプルに並びます。
構造が単純なため、作成や閲覧の負担が小さい点がメリットです。部品点数が少ない製品や、購買の総量を素早く確認したい場面に向いています。
一方で、組み立ての順序や部品同士の関係は表現できません。複雑な製品では情報が不足しやすくなります。
ストラクチャ型部品表の特徴

ストラクチャ型は、完成品を頂点に、ユニットや部品を階層で表す方式です。親子関係をたどることで、組み立ての流れが把握しやすくなります。
設計変更の影響範囲を追いやすい点が大きなメリットです。ある部品を変更したとき、どのユニットに波及するかを確認できます。
ただし、階層が深くなるほど作成と管理の手間が増えます。情報量が多いぶん、運用のルール整備が求められます。
ハイブリッド型部品表の特徴

ハイブリッド型は、サマリ型とストラクチャ型を組み合わせた方式です。標準品の繰り返し生産と、特注品の個別受注生産の両方に対応しやすくなります。
たとえば、共通部分はストラクチャ型で管理し、仕様が変わる部分だけサマリ型で扱うといった運用ができます。設計部品表と製造部品表をまとめて管理したい場合にも向いています。
一方で、2つの方式が混在するぶん、管理のルールは複雑になりがちです。
パラメトリック型部品表の特徴

パラメトリック型は、サイズ違いや色違いなど仕様のバリエーションが多い製品で使われる方式です。仕様をパラメータとして設定し、条件に応じてBOMを自動生成します。
多品種少量生産やカスタマイズ製品の管理に向いており、産業機械や自動車のオプション管理などで活用されます。
ただし、システムの設定が複雑になりやすく、導入コストが高くなる傾向があります。
BOM方式の使い分け
製品がシンプル、もしくは小規模生産ならサマリ型、生産が複雑ならストラクチャ型、というのが基本の考え方になります。標準品と特注品が混在するならハイブリッド型、仕様のバリエーションが多いならパラメトリック型が選択肢になります。
自社の製品構造と、設計変更の頻度を踏まえて選ぶことがポイントです。
用途別のBOMの種類
BOMは、活用する部門や工程によっても種類が分かれます。代表的なのがE-BOM・M-BOM・P-BOM・S-BOMの4つです。同じ製品でも、部門ごとに必要な情報が異なります。
E-BOM 設計部品表(設計BOM)
E-BOMは設計部門が作成するBOMで、Engineering BOMの略です。製品の機能や仕様を中心に、設計の視点で部品を構成します。
CADや生産管理システムと連携し、設計データの起点となる存在です。
M-BOM 製造部品表(製造BOM)
M-BOMは製造部門が使うBOMで、Manufacturing BOMの略です。E-BOMをもとに、実際の組み立て順序や工程の情報を加えて作成します。
副資材や中間品など、製造現場で必要になる情報が反映される点が特徴です。E-BOMとM-BOMの整合をとることが、現場の混乱を防ぐカギになります。
P-BOM 購買部品表(購買BOM)
P-BOMは購買部門が使うBOMで、Purchasing BOMの略です。どの部品を、どの取引先から、いくつ調達するかを管理します。
調達先や単価の情報を持つため、発注業務や原価管理の基礎データになります。
S-BOM 販売とサービス部品表
S-BOMは販売・保守部門が使うBOMで、Service BOMの略です。出荷後の保守や修理に必要な部品を管理します。
交換部品の特定やアフターサービスの品質に直結するため、製品ライフサイクル全体を支える役割を持ちます。で、新製品の開発や既存製品の改良を効率的に行うことが可能になります。
BOMの具体例と作り方
ここでは、活用する企業が多いサマリ型とストラクチャ型の記載例を示しながら、エクセルでBOMを作る手順を解説します。自社で作成するときのイメージづくりに役立ちます。
サマリ型BOMの記載例
簡単な木製スツールを例にすると、サマリ型BOMは次のように整理できます。
| 品番 | 部品名 | 数量 | 単位 |
| P-001 | 座板 | 1 | 枚 |
| P-002 | 脚 | 4 | 本 |
| P-003 | 貫(ぬき) | 4 | 本 |
| P-004 | 木ネジ | 16 | 本 |
部品と必要数が一目で把握でき、購買の総量を素早く確認できます。
ストラクチャ型BOMの記載例
同じスツールをストラクチャ型で表すと、完成品を頂点とした階層になります。
■スツール(完成品)
┗座面ユニット
┗座板 1枚
┗木ネジ 8本
┗脚部ユニット
┗脚 4本
┗貫 4本
┗木ネジ 8本

どの部品がどのユニットに属するかが明確になり、組み立て順序や設計変更の影響を追いやすくなります。
エクセルでBOMを作成する手順
小規模なBOMであれば、エクセルでも作成できます。基本的な手順は次のとおりです。
- 品番・部品名・数量・単位の列を設計する
- 完成品から部品へ、階層がわかるよう行を整理する
- 設計変更の履歴を残す欄を追加する
- 取引先や単価など購買情報を必要に応じて加える
部品点数が少ないうちは、エクセルでも十分に運用できます。ただし製品が増え、設計変更が頻繁になると、管理の負担が一気に高まります。
BOM管理でよくある課題
BOMは作って終わりではなく、設計変更や量産にあわせて更新し続ける必要があります。運用の段階で、多くの製造業が共通の課題に直面します。
生産管理システムSmartFの受注後ヒアリング(n=171)では、導入検討の理由として最も多いのは「生産管理全体のアナログ管理をシステム化したい」(約30%)でした。自由記述では「在庫」「発注」「属人化」「ミス」といったキーワードが繰り返し登場しており、手作業での管理に限界を感じる企業が多いことがうかがえます。
設計変更の反映漏れ
設計変更が発生したとき、E-BOMとM-BOMの両方を手作業で直す運用では、更新漏れが起きやすくなります。古いBOMのまま発注や製造を進めてしまうと、誤った部品の手配や手戻りにつながります。
部門ごとのBOM分断
設計・製造・購買がそれぞれ別の表でBOMを管理していると、情報が分断されます。いわゆる統合BOMが実現できていない状態です。
部門間で数量や仕様の認識がズレ、確認のための問い合わせや調整に時間がかかります。
エクセル管理の限界
エクセルでのBOM管理は手軽に始められる一方で、規模が大きくなると課題が増えます。
- 複数人が同時に編集すると最新版が分からなくなる
- 変更履歴をたどりにくく属人化しやすい
- 在庫や発注のデータと連動できずに二重入力が発生する
これらの課題は、在庫管理や発注の業務全体に波及します。BOMの正確さを保つには、仕組みでの管理が求められます。
BOM管理を効率化する方法
BOM管理を効率化するには、手作業の限界を理解したうえで、システム化を検討することがポイントになります。管理方法ごとの違いを整理します。
| 管理方法 | 向いている規模 | メリット | 注意点 |
| 紙・手書き | ごく小規模 | 導入コストが不要 | 検索性が低く更新が大変 |
| エクセル | 小規模 | 手軽に始められる | 同時編集・履歴管理に弱い |
| システム | 中規模以上 | 一元管理と他業務連携 | 導入の検討と定着が必要 |
製品点数が増え、設計変更が頻繁になるほど、システムでの管理が効果を発揮しやすくなります。専用のシステムとしては、BOM管理システムのほか、生産管理システムのBOM機能を活用する方法があります。
生産管理システムによるBOM管理

BOMを単独で管理するのではなく、生産管理システムの中で扱うことで、発注・在庫・工程管理まで一気通貫でつながります。
製造業向けクラウド型基幹システムSmartFは、BOMを軸に在庫管理・工程管理・原価管理までを一元化できます。設計変更を一か所で更新すれば、関連する発注や製造の情報にも反映しやすくなります。スモールスタートで必要な機能から始め、事業の成長にあわせて段階的に拡張できる点も特徴です。
生産管理システムSmartFは、導入企業171社への受注後ヒアリングで「スモールスタート・価格面」(約36%)と「充実機能・拡張性」(約34%)が選定理由の上位を占めています。初期投資を抑えながらデータの一元管理を進めたい中小〜中堅の製造業を中心に選ばれています。
マスタ更新の手間を大幅削減した例
ある化粧品メーカーでは、共通原料や資材の切り替えを行う際、指示書類のエクセルフォーマットや販売管理ソフトのマスタを全て手作業で修正されていました。このマスタ管理をSmartFに一元化したことで、多いときでは1日かかっていたマスタデータ更新時間が30分に短縮されました。
事例の詳細はこちら:計量器連携などでアナログ作業を減らし年間450時間の工数削減!将来在庫の自動計算やCSV取込など、人的ミスをなくす仕組みも活用
BOMに関するよくある質問
BOMについて、検索でよく調べられている疑問をまとめました。
BOMの読み方は?
BOMは「ビーオーエム」または「ボム」と読みます。Bill of Materialsの略で、日本語では部品表を指します。
BOMとBOPの違いは?
BOMは製品を構成する部品の一覧を指します。一方でBOP(Bill of Process)は、製造の工程や作業手順を定義したものです。BOMが「何を使うか」、BOPが「どう作るか」を表します。
E-BOMとM-BOMはどう違う?
E-BOMは設計視点でまとめる設計部品表、M-BOMは製造視点でまとめる製造部品表です。E-BOMをもとに、組み立て順序や副資材の情報を加えてM-BOMを作成します。
BOMはエクセルで管理できる?
部品点数が少ない小規模な製品であれば、エクセルでも管理できます。ただし設計変更が頻繁な場合や部品点数が多い場合は、更新漏れや二重管理が起きやすく、システムでの管理が向いています。
23種類の生産管理システムを徹底比較
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