2026年10月15日
【生産管理システム】ピーク時は月400万円あった納期遅れを5分の1に圧縮!受注データ取込は3分の1に短縮、拠点間の情報共有も実現

株式会社アイピー・ファインテック
| 業界 | 自動車部品業界 |
|---|---|
| 会社規模 | 100~299人 |
| 機能 | 工程管理、発注管理 |
| 生産の特徴 | リピート受注生産 |
システム概要
課題
- 主要取引先4工場からの紙の納品書をもとに、手入力で受注データ登録していた
- 出荷管理にてエクセルとシステムの二重入力が発生していた
- 最終工程のみの管理で遅延原因を追及できず、ピーク時は月間最大400万円分の納期遅れが発生していた
- 新設した川越工場にシステムが導入されておらず、本社から状況把握できなかった
解決策
- 主要取引先から注文データを一括送付してもらい、CSV取込で処理する運用に変更
- 出荷情報の登録や帳票出力をSmartFに一元化
- 工程単位でSmartFのマスタを整備し、遅れを金額換算で追跡
- 本社・工場の2拠点でSmartFを導入し、データを共有
効果
- 受注データの取込時間が約3分の1に短縮された
- 出荷管理の一元化で二重入力がゼロになった
- 納期遅れ額はピーク時400万円から80万円台に改善、約5分の1に削減された
- 拠点間の情報共有が実現し、双方の工場がリアルタイムに進捗確認できるようになった
導入の背景
旧システムの老朽化が導入の転機に
自動車部品の精密機械加工を専門に手掛ける、株式会社アイピー・ファインテック様。同社では、過去にMicrosoft Access で内製した生産管理システムを運用されていました。しかし、不具合や機能の限界が目立つようになっていました。
主要取引先の4工場から届くデータは、以前のシステムを構築したときから項目の仕様が変更されており、項目や桁数なども工場ごとに異なっていました。このため、システムへのデータ取込が正常にできず、手入力に近い状態が続いていたことも入れ替え検討の大きなきっかけとなりました。
2024年4月頃から約1年間、複数の展示会で複数のシステムを比較検討され、主要取引先への説明も経て2025年3月にシステム導入を決定されました。
SmartF(スマートF)に決めた理由
初期費用を抑えたミニマム導入、7か月間のトライアルが決め手に
SmartFを知ったきっかけは展示会で、必要最低限の機能から導入できる点が第一印象として良かったとのことです。
他社システムは操作が複雑な印象で、導入・維持コストも高額な傾向にありました。一方、SmartFは初期費用を抑えて開始できる点がコスト面での決め手となりました。
さらにSmartFは、ミニマムパッケージで不要な機能を使う必要がなく、トライアルを実施したうえで本契約を判断できる仕組みが、社内の理解を得るうえで安心材料となりました。
また、他社システムと比べて、自動生成した生産計画の設備変更時の操作が、1画面で処理できる点を、高く評価していただきました。
導入効果
受注データの一括取込で処理時間を3分の1に短縮
【導入前】主要取引先4工場からの紙の納品書をもとに、手入力で受注データ登録していた
以前は主要取引先の4工場から紙で納品書が届くたびに、納品書内の2次元バーコードを1枚ずつ読み込んでいた。また、納品書の送付漏れによりFAXで届いた場合は、2次元バーコードを読み込めず、ほぼすべてを手入力で対応することもあった。入力作業に1日あたり約30分、状況によっては約1時間を要することもあった。
【導入後】受注データの取込時間が約3分の1に短縮された
SmartFへの移行にあわせて、主要取引先の調達部から4工場分の注文データを一括で送付してもらう運用へと変更。これにより、4工場分のデータをCSV取込でまとめて処理できるようになった。受注データ取込作業にかかる時間は約10分となり、以前と比べて約3分の1に短縮された。
さらに、主要取引先の工場ごとに個別対応していた納品データの読み込み作業もなくなり、取引先側の負担軽減にもつながっている。
【受注管理】SmartF 導入前後の変化
・4工場からの納品書を個別に読み込み
・工場ごとにデータ仕様が異なり、手入力の取込も多数あり
↓
・主要取引先からの注文データをCSV取込で一括処理(工数を3分の1に短縮)
出荷管理の一元化で二重入力を解消
【導入前】出荷管理にてエクセルとシステムの二重入力が発生していた
従来の生産管理システムには入力できない出荷情報があったため、自作のエクセル管理表で出荷管理を行っていた。そのため、システムとエクセルの両方に入力する二重入力の手間が発生していた。
また、出荷予定のデータ管理体制が整っておらず、現場では「完成した製品が出荷場所に届き次第、その都度出荷作業を行う」という現場判断に依存した運用になっていた。そのため、現場の出荷状況をリアルタイムかつ正確に確認できないという課題もあった。
【導入後】出荷管理の一元化で二重入力がゼロになった
出荷登録をSmartFにて一元管理することで、エクセルとの二重入力業務を解消。集荷札や出荷リストもSmartFから出力できる。これらのSmartF上の帳票は従来のフォーマットとほぼ同じレイアウトで再現したため、現場担当者もシステム移行による違和感を抱くことなく作業に取り組めている。
さらにSmartF導入後を機に、主要取引先から事前に注文データを送付していただくよう依頼。納品書よりも先に注文データが届くようになり、受注内容を把握できるタイミングが半日早くなった。これにより、従来は午後に集中していた集荷札の発行や入力作業を、午前中から分担して進められるようになった。担当2名の業務負担も緩和されている。
【出荷管理】SmartF 導入前後の変化
・出荷データをシステムとエクセルに二重入力
↓
・出荷登録をSmartFに一元化し、(二重入力がゼロに)
工程単位の進捗見える化で納期遅れの金額を5分の1に圧縮
【導入前】最終工程のみの管理で遅延原因が追及できず、ピーク時は月間最大400万円分の納期遅れが発生していた
以前は最終出荷工程のみを管理する運用だったため、どの工程で、どれだけ遅れが発生しているのかを追及できなかった。現場の紙の作業日報で大まかな記録はあったものの、細かい進捗までは把握できていなかった。
さらに、納期遅れによる生産調整が重なると計画策定の遅延要因になることもあり、月間の納期遅れ額は最も多い時期で約400万円に達していた。
【導入後】納期遅れ額はピーク時400万円から80万円台に改善、約5分の1に削減された
SmartFで工程単位の進捗を管理する運用を導入し、部署単位の納期遅れの状況を金額換算で把握できるようになった。SmartFのデータをもとに独自の納期遅延管理レポートを作成し、これを生産管理部門から全社へ展開することで納期管理の精度も向上した。その結果、納期遅れ額は月間80万円未満、約5分の1まで削減された。
さらに、この情報は日次で確認できる体制になっており、遅れの早期対応にもつながっている。
【工程進捗管理】SmartF 導入前後の変化
・最終工程のみの管理で遅れの原因を追及できず、月間最大400万円の納期遅れ
↓
・工程ごとの進捗を見える化(納期遅延額を約5分の1に圧縮)
本社・川越工場2拠点のデータ共有で情報の一元化を実現
【導入前】新設した川越工場にシステムが導入されておらず、本社から状況把握できなかった
5年前に立ち上げた川越工場は生産管理システムを持たず、紙と現物ベースで管理業務を行っていた。旧システムは本社のみに存在していたため、川越工場の状況は紙や口頭で報告されていた。
さらに、本社側が代行して川越工場の生産情報を生産管理システムにデータ入力していたが、本社の対応状況を川越工場側で確認する手段がなく、正確な状況をリアルタイムで共有することも難しかった。
【導入後】拠点間の情報共有が実現し、双方の工場がリアルタイムに進捗確認できるようになった
クラウド型システムであるSmartFの導入により、本社と川越工場の2拠点で同じデータを共有可能に。これにより、本社は川越工場の受注・出荷状況をリアルタイムに確認できるようになり、川越工場側も紙や口頭ベースでの報告作業が不要になった。川越工場にいながら本社の状況を確認することも可能になっている。
【拠点間情報共有】SmartF 導入前後の変化
・新工場に生産管理システムなし
・本社に紙・口頭で報告し、本社の生産管理システムに代行入力
↓
・本社・川越の2拠点でデータを共有し、(双方の状況をリアルタイムに確認)
お客様の声
長年使っていたシステムがいよいよ限界を迎え、入れ替えが急務の中でSmartFの移行を決めました。限られた人数でのマスタ登録や主要取引先の協力が必要でしたが、導入支援のおかげで一つずつ着実に進めることができました。
マスタ整備でこれまで見えなかった工程情報がすぐに検索できるように
構成マスタの登録にあたっては、2,000点を超える製品品番と、1製品あたり最大6つの工程情報をすべて洗い出す必要がありました。工程の流れが担当者一人の頭の中にしかなく、どこにも記録が残っていなかったので大変でした。
しかし、工程ごとに細かくマスタ登録できたことで、少量しか流れない品番についても工程情報をすぐに検索できるようになりました。これは、想定していなかった大きな収穫だと感じています。
今後は現場への展開、データの活用を進めたい
現在は受注や出荷、工程ごとの進捗や納期の管理が中心です。現場活用にも少しずつ展開していければと思います。今後は、現場での設備ごとの負荷確認や主要取引先から無償で支給される素材の在庫管理にも取り組んでいきたいと考えています。
また、ゆくゆくはエンドユーザーのトヨタ様の改善チームにもご協力いただきながら、Power BIを使ったデータ活用も進めていきたいと考えています。
株式会社ネクスタ:営業担当の声

【提案時を振り返って】
ご検討当初、お客様は内示と確定受注の二重管理や、膨大なマスタ設定・サイクルタイムの登録作業、複雑なデータ連携に強い懸念を抱かれていました。
そこで私たちは、SmartFの「受注」と「生産一覧」の箱を分けることで、データを消さずに重複や予実比較を行える運用案をご提示しました。受注は既存フォーマットを活かしたCSV取り込みとし、ライセンスも最小限にする「スモールスタート」を推奨させていただきました。
【導入効果を受けて】
「納期遅れの削減(ピーク時400万円から約5分の1へ圧縮)」や「受注データ取込時間の3分の1短縮」が実現し、拠点間のリアルタイムな情報共有に貢献できていることを大変嬉しく思います。
また、システム移行を機に、2,000点を超える製品と工程マスタの可視化・整備まで一気通貫で進められたという副次的効果も感じていただき、ありがとうございます。
現在は受注・出荷・工程管理の定着を進められていますが、今後は現場での設備負荷確認や支給素材の在庫管理など、更なるデータ活用への展開が期待されます。この「まずはスモールスタートで着実に効果を実感しつつ、段階的に活用範囲を広げてシステムを育てていく」という進め方は、多くの製造業の皆様の模範となる事例といえます。

焼結金属製品の機械加工を専門とし、自動車の足回りやステアリング、エンジン、ミッションなどに組み込まれる高精度な金属部品を製造。愛知県稲沢市の本社工場と埼玉県川越市の工場の2拠点体制で、トヨタグループ各社へ製品を供給する。






