2026年03月31日
【工程管理システム】進捗確認の工数を年間1680時間削減!拠点をまたぐ製造工程も見える化し、技術伝承の土台も構築

株式会社岩手製作所
| 業界 | 金属加工業界 |
|---|---|
| 会社規模 | 100~299人 |
| 機能 | 工程管理 |
システム概要
課題
- 電話と現場確認のアナログな進捗確認に毎月膨大な時間を費やしていた
- 経験則をもとに生産指示書を手書きで作成していた
- 長年にわたる多様な製品の製造ノウハウが個人の頭の中にしかなく、引き継ぎが困難だった
解決策
- システム上で全拠点の工程進捗を見える化
- SmartFに製品マスタを登録し、その情報をもとに作業指示書を発行
- マスタ登録を通して製造工程データを蓄積
効果
- 全拠点の工程進捗の可視化で、伝達ミスを大幅削減・確認工数を年1680時間削減
- 属人化を解消し正しい手順での生産管理を実現
- 蓄積した製造工程データをもとに作業手順の引き継ぎが可能に
導入の背景
1000種類以上の部品製造を紙で管理、納期遅れの常態化が課題に
高電圧変電設備やエレベーター・エスカレーター用の各種機器の部品加工・組立製造を手掛ける岩手製作所様。小さなネジから2メートルを超える大型装置の組み立てまで、幅広いサイズの製品を自社製造しています。一方、この多種多様な製造工程を紙ベースで管理していたために、アナログ管理に起因する様々な現場課題がありました。それらを改善するために、生産管理システムの検討を始めました。
同社の現場では、常に1000種類以上の図面が流れており、それらをすべて紙の工程管理表で管理されていました。しかし、進捗の正確な把握が難しく、管理が行き届かないことで現場での納期遅れが起きていました。さらに、管理側がさらに無理な予定を組まざるを得ないという悪循環も発生していました。
また、同社は過去にもシステム導入の検討をされていました。しかし、膨大な部品点数を含む全要件を網羅するシステム構築には、数千万円規模の費用がかかる見込みで、導入を断念した経緯があります。その後、システム導入を推進できるご担当者様が入社され、現場の課題感や「脱・手書き管理」の要望を改めて受け止め、システム検討を再び進めることになりました。
SmartF(スマートF)に決めた理由
スモールスタートが可能で、膨大な部品種類にも対応できるクラウド型システムだった
同社はシステム検討にあたり、Web検索や協力企業の紹介などで情報収集をされました。SmartFを知っていただいたきっかけは、お付き合いのあるリコージャパン様からのご提案でした。
最終的に以下3点の理由から、SmartFが現実的な選択肢となり、お選びいただきました。
- 膨大な部品点数を取扱可能だった
- スモールスタートで「まずやってみる」が可能だった
- クラウド型で複数拠点の管理がしやすかった
大手システムベンダーからも開発を断られたことがある同社の部品点数も、クラウド型のSmartFであれば扱えました。さらに、一部の機能からスモールスタートできることも、決め手の一つでした。同社のシステム導入は「限られた部分からでも、まずは使って試していきたい」という方針だったため、小さく・早く導入できるスモールスタートを評価いただきました。たとえば、膨大なマスタ登録を少しずつ進められる点も、導入準備のコスト・期間を圧縮できることからメリットを感じていただきました。
さらに、クラウド型ならではの、複数拠点の管理がしやすいという点も、同社にフィットしました。オンプレミス型の他社システムも候補に挙がっていましたが、複数拠点の管理にはVPNの構築が必要となり、費用面や規模感で導入が困難だったとのことです。
導入効果
拠点間の工程管理における進捗確認の手間を削減し、月に約140時間の業務効率化を実現
【導入前】電話と現場確認のアナログな進捗確認に毎月膨大な時間を費やしていた
現場への作業指示は、管理者が手書きの工程表にて実施。しかし、紙での運用で不十分だと判断した現場作業者が、独自のExcelで管理を行うケースもあり、管理方法が社内で統一されていなかった。また、正しく工程進捗が記録されていないと、作業が終わったのか、または品物を紛失したのかも判別が難しかった。
また、同社は工程ごとに複数拠点をまたぐ製造が多く、アナログ管理だとリアルタイムに工程進捗を把握できないという課題もあった。そのため、管理担当者は現場の状況を把握するために、電話をかけたり現場へ足を運んだりして確認していた。この進捗確認は、約15人の管理者が毎営業日行っていた。
【導入後】全拠点の工程進捗の可視化で、伝達ミスを大幅削減・確認工数を年1680時間削減
SmartFに各工程の生産実績を、現場でのQRコードスキャンで直接反映する運用を開始。誰がどのタイミングで作業を実施したのかという履歴が、システム上の客観的なデータとして正確に残るようになった。これにより、「言った・言わない」のトラブルやコミュニケーションエラーが減少。現場の作業者にとっても、「確実に作業をした」という証拠が担保される安心感に繋がった。
また、複数拠点において共通のSmartFのデータベースを使うことで、工程進捗の一元管理も可能に。管理者は各自の端末からシステム上で進捗状況を確認できるようになり、現場への電話確認の手間が大幅に削減された。これにより、月に約140時間(年換算すると1680時間)の工数削減となった。
さらに、拠点間で品物がどこにあるのかもデータとして可視化されたため、受け入れ伝達もスムーズに行えるようになっている。
【工程進捗管理】SmartF 導入前後の変化
・紙中心の工程管理で工程進捗が不透明
・進捗確認は現場に電話、もしくは現場に直接行って確認
↓
・SmartFで複数拠点の進捗を一元管理

手書き工程管理表による属人的な指示出しを脱却し、作業手順の標準化を推進
【導入前】経験則をもとに生産指示書を手書きで作成していた
以前は10人以上の担当者が手書きで作業指示書を作成しており、1日あたり約50枚、月に何100枚もの紙を発行していた。
さらに、どの拠点でどの加工を行うかという判断は、ベテラン担当者の経験則に依存していた。しかし、実際の現場側での工程や加工順に差異がある場合もあり、管理側が正確な製造プロセスを把握できていないという大きな課題があった。
【導入後】マスタ登録による製造工程の見える化・属人化の解消で、正しい手順での生産管理を実現
手書きの作業指示書の運用を原則廃止し、SmartFから作業指示書を発行する運用を導入。新しい製造品が来るたびにマスタを登録し、その情報をもとに発行した作業指示書の通り作業を進める仕組みを構築した。これにより、現場が独自の判断で工程を変更していたケースも、マスタに正しく反映されるようになり、作業標準化が進んだ。
結果として、経験の浅い担当者でも迷わず適切な指示を出せるようになり、属人化を排除した正しい生産管理の体制が整いつつある。

現場の技術継承をスムーズにし、誰でも適切な生産管理ができる体制へ
【導入前】長年にわたる多様な製品の製造ノウハウが個人の頭の中にしかなく、引き継ぎが困難だった
同社の取扱製品はリピート受注から個別受注生産まで多岐にわたり、中には数十年ぶりに製造するような部品も存在する。これまでは、図面ごとの正しい加工手順や拠点間の割り振りなどのノウハウが、長年勤務しているベテラン社員の頭の中にしかなかった。将来的な世代交代を考えた際、別の担当者へ業務を引き継ぐのに何年もかかってしまう懸念があった。
【導入後】蓄積した製造工程データをもとに作業手順の引き継ぎが可能に
新しい製品を受注した際、順次マスタに登録していく運用を現場に定着させたことで、システム上に製造工程のデータを蓄積する体制を実現。久しぶりに受注したリピート品であっても、マスタ情報を呼び出すだけで正確な製造工程を確認できるようになった。これによって、ベテラン社員でなくても作業手順の引き継ぎが容易になった。
【属人化解消】SmartF 導入前後の変化
・経験豊富なベテラン社員が作業指示書を手書きで作成
・各製品の製造工程は暗黙知
↓
・新たな製品を受注したらマスタ登録し、製造工程データをシステムに蓄積
・マスタ情報に基づいて作業指示書を発行(ブラックボックス化した製造工程を見える化)
お客様の声
システム導入後もマスタ登録を徐々に進められるため、早くからシステムに慣れていけた
当社は多品種少量生産が中心、かつ部品点数が本当に多く、システム検討に苦慮していました。最初から完璧なシステムを構築しなければならないカスタマイズ型のシステムでは、すべてのマスタ登録を事前に終わらせるのに何年かかるかわからない状況でした。
そんな中、SmartFでスモールスタートし、徐々に慣れていけて良かったと思います。マスタ登録に関しても、システム運用しながら少しずつ進められて助かりました。登録作業が多い点は大変でしたが、ある程度登録が終わってからは管理がとても楽になりましたし、早々にシステムを使ってみるフェーズに入れました。
機能を絞ってシンプルな運用から始めたことで、現場にも無理なく定着している
当社の現場従業員の年齢層は20~60代、中でも40代・50代が多い状況ですが、システム導入に対する現場の不満や抵抗感はほとんどありませんでした。むしろ、煩雑なアナログ管理を脱却し、効率化するためのシステム導入の要望が多い状況でした。
パソコンに苦手意識を持つ社員はいましたが、機能を絞ってシンプルに導入したからか、無理なく使ってもらえています。QRコードをハンディスキャナーで読み取るという現場運用も、使いやすいという声を聞いています。
今後も機能やシステム活用部門を広げ、さらなる全体最適化を目指す
さらなる業務改善を目指し、現場でも工程進捗が見えるようになるタブレット活用や、各部署への負荷確認機能なども使いこなしていきたいと考えています。将来的には、組立工程や在庫管理、受発注管理などともシステムを紐づけて、会社全体の最適化を図っていきたいです。
ネクスタ社には、導入後の質問や要望に対してもスピーディにご対応いただき、大変手厚いサポートに感謝しております。引き続きご支援の程よろしくお願いします。

システム導入推進 若﨑様

担当者 益子様(左) 長谷川様(右)
株式会社ネクスタ:営業担当の声

【提案時を振り返って】
岩手製作所様へご提案させていただいた際、数万点にも及ぶ部品や工程を紙や手作業で管理され、進捗確認に毎月膨大な時間を費やしているという深刻なお悩みを伺いました。過去に他社システムを検討したものの、部品点数の多さやコスト面から断念されたという経緯もお聞きし、「SmartFの柔軟性なら絶対にお力になれる」と強く感じたことを覚えています。
そこで、いきなり全てをシステム化するのではなく、まずは工程の進捗管理に絞った「スモールスタート」をご提案しました。一番の懸念であった膨大なマスタ登録も、使い慣れたExcelの運用を活かしながら、無理なくデータ化していく現実的な方法をお客様と一緒に模索しました。現場の皆様からも「早くシステムを入れたい」と前向きな声をいただき、絶対にプロジェクトを成功させようと私の背中を強く押してくれました。
【導入効果を受けて】
営業担当として本当に嬉しい気持ちでいっぱいです。
以前は紙ベースの管理で毎月の確認作業に追われ、ノウハウもベテランの方に依存しているという深いお悩みをお持ちでした。それが今回のシステム導入によって全拠点の進捗が一目でわかるようになり、年間1680時間もの工数削減に繋がったというのは、私たちにとっても大きな喜びです。
特に、長年の課題だった「属人化」を解消し、スムーズに技術の引き継ぎができる環境になったというお言葉には胸が熱くなりました。スモールスタートから現場の皆様に無理なく定着していると伺い、ホッとしています。今後も全社の業務最適化に向け、一番のパートナーとして伴走していきたいと改めて気が引き締まりました。

高電圧変電設備やエレベーター・エスカレーター用の各種機器の部品加工・組立製造を行う。創業以来、鉄鋼・アルミニウム・銅材料の切削加工から、プレス加工、溶接、メッキ処理、さらには最終的な組立・検査に至るまで、社内で一貫生産できる体制に強みを持つ。













