2024年01⽉10⽇
【在庫管理システム】複数拠点の在庫を見える化!ハンディ端末の活用で棚卸工数560時間削減のインパクトも
セラミックセンサ株式会社
業界 | 自動車部品業界 |
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会社規模 | 1000人以上 |
機能 | 在庫管理 |
システム概要
課題
- 他拠点の在庫確認の問い合わせ対応を、月4~5回は行っていた
- 入出庫管理は手打ちでのデータ入力、入力漏れなどの課題もあり
- 年2回の棚卸で、1部門の予備品だけでも1回の棚卸で62時間、全在庫品の棚卸には840時間かかっていた
解決策
- 国内の複数拠点の在庫管理をスマートFに統一
- 入出庫管理をスマートFとハンディ端末による運用に変更
- スマートFとハンディ端末にて棚卸を実施
効果
- 全拠点の在庫の見える化と在庫圧縮に成功、在庫確認の手間は年間5~10時間削減
- エクセル入力作業が激減、年間420時間の工数削減
- 予備品の棚卸時間は42時間削減、全在庫品あわせて560時間の棚卸工数削減の見込み
導入の背景
拠点ごとに異なる在庫管理体制を統一し、海外拠点の在庫も見える化も目指したい
自動車のシステムに欠かせない「酸素センサ」という部品を製造する、セラミックセンサ様。自動車の排気ガス中の酸素濃度を感知し、最適な燃焼状態を制御するために不可欠な重要部品を生産しています。
セラミックセンサ様の国内拠点は、愛知県・岐阜県・三重県の計3箇所。各拠点ごとに在庫管理を行っています。しかし、エクセルのマクロを使う拠点もあれば、システムで管理する拠点もあり、管理方法が統一されていないという課題がありました。そのため、他拠点の在庫を確認する際は、都度問い合わせる必要がありました。さらに、マクロで作り込んだエクセルファイルには、エラーが出るとデータ作成者しか直せないという属人的な問題も。管理方法の統一が必要だと考えていました。
さらに将来的には、海外拠点の在庫も「見える化」していきたいという思いもありました。そこで、全拠点で使える在庫管理システムの検討を始めました。
まずは在庫管理のシステムを探し、スマートFを含め3社で比較検討を行いました。1社は初期費用の高さがネックだったため、最終的にはスマートFを含め、月額費用で利用できるシステム2社で検討を進めました。
スマートFに決めた理由
低価格かつ既存のハンディターミナルがフル活用できる
スマートF導入の決め手は、初期費用・ランニングコストともに低価格だったことにくわえ、自社で使用しているハンディターミナルとの相性が良いことでした。
セラミックセンサ様では、すでにハンディターミナルを製造現場で数多く使用されていました。スマートFが推奨しているハンディターミナルのひとつが同製品だったため、機器導入コストを抑えて在庫管理システムを導入できました。
導入効果
【導入前】他拠点の在庫確認の問い合わせ対応を、月4~5回は行っていた
従来は国内3拠点がそれぞれ異なる在庫管理を行っており、他拠点の在庫を確認するには予備品管理グループに電話で問い合わせる必要があった。予備品管理グループのみが他拠点の在庫も確認できたため、在庫問い合わせが集中していた。月に4〜5回は、在庫確認や返答等の対応をしており、毎回5〜10分程の手間がかかっていた。
【導入後】全拠点の在庫の見える化と在庫圧縮に成功、在庫確認の手間は年間5~10時間削減
スマートF導入後は、予備品管理グループを経由せずに他拠点の在庫数を確認できるようになった。在庫融通の相談も現場同士でスムーズに行えるため、在庫数・在庫金額の圧縮効果が出てきている。
また、予備品管理グループとしては、他拠点の在庫確認の問い合わせ対応が不要になったことで、年間10時間近くの工数削減に繋がった。
【導入前】入出庫管理は手打ちでのデータ入力、入力漏れなどの課題もあり
スマートF導入前の入出庫管理はエクセル中心だった。入庫情報は、納品書を1枚ずつ見ながら、毎日エクセルやシステムに手入力していた。週100~120件は入力する必要があり、月に約3時間の工数がかかっていた。
出庫情報は、予備品管理グループと現場双方で行い、1日300件はエクセル入力していた。出庫データ入力にかけていた工数は月50時間ほど。入力漏れなどのヒューマンエラーの課題もあった。
【導入後】エクセル入力作業が激減、年間420時間の工数削減
ハンディターミナルを用いた入出庫管理に変更。入出庫時にバーコードをスキャンすると自動的にスマートFへ入出庫データが反映されるようになり、エクセル手入力の手間が不要になった。これにより、入庫データ入力にかけていた月3時間と、出庫データ入力にかけていた月50時間がなくなり、エクセル入力の工数を年間420時間削減できた。
【導入前】年2回の棚卸で、1部門の予備品だけでも1回の棚卸で62時間、全在庫品の棚卸には840時間かかっていた
毎年2回実施する棚卸での対象品は、1拠点だけでも1万8,000以上の品種、在庫点数だと17万点以上。スマートF導入前の棚卸時間を集計したところ、これらの棚卸に約840時間をかけていた。
また、このうち3,500品種、約4万点の在庫を管理している予備品管理グループの棚卸だけでも62時間かかっていた。
【導入後】予備品管理Gの棚卸時間は42時間削減(67%減)、全在庫品あわせて560時間の棚卸工数削減の見込み
まずは、予備品管理グループの棚卸からスマートFを導入。予備品在庫にハンディターミナルでスキャンするラベルを貼付し、スマートFへ自動集計して棚卸できるように整備。その結果、62時間かかっていた予備品の棚卸時間は20時間まで短縮。棚卸工数を42時間削減することに成功した。
次回の棚卸では、予備品管理グループ以外の在庫品にもラベルを貼り、全在庫品をスマートFとハンディターミナルを用いた棚卸に切り替える予定。全在庫品の棚卸にかかっていた840時間は、280時間まで圧縮できる見込み。560時間もの工数を削減予定。
お客様の声
スマートFの導入により、長く実現したかった各拠点共通の在庫管理だけでなく、さまざまな業務改善ができました。一例だと、スマートFの在庫一覧では発注済み品を確認できるので、二重発注を防げるようになりました。
当社は在庫点数が非常に多いため、導入初期のマスタ整備は少し大変でした。トライアル期間から、マスタの下準備などをしていただき助かりました。また、スマートFの本稼働後も、機能改善などの要望に応えていただいています。たとえば、貼付ラベルを大量に印刷する機会には、連続印刷機能を追加していただきました。おかげさまで作業効率が大幅に上がりました。
これから使いこなしていきたいスマートFの機能もあります。そのうちの一つが、過去の出庫履歴から平均リードタイムを自動計算し、マスタを一括更新できる機能です。これを使えるようになれば、納期管理がより楽にできるはずです。他にも、現在利用中のSAPとの連携設定なども進めていきたいです。
開発中の機能もたくさんあるとお伺いしているので、さらにスマートFが便利になっていくことを楽しみにしています。
株式会社ネクスタ:導入支援担当の声
【運用提案する上で心掛けたこと】
スマートFの得意とするハンディターミナルを用いた入出庫や発注などの運用だったので、機能面とご要望が非常にマッチしていたと思います。一方、お客様独自の管理項目も多々あったので、スマートFの各項目を活用して頂きました。また、新品と中古品それぞれの数量管理など、標準的な想定とは異なる使い方もして頂き、従来のExcel管理されていたことをスマートF上でも実現できるようにご提案致しました。
【導入時を振り返って】
PC/HTほぼ全画面での表示内容の変更は少し大変でした。また、100以上のライセンスを導入して頂いており、当初は同時検索などで処理が遅くなるといった課題が発生しましたが、結果的にスマートFの処理高速化に繋がりました。
現在も改善要望を定期的に頂戴しており、スマートFの機能を更に充実させるべく対応させて頂いています。今後も、セラミックセンサ様の業務をさらに改善していきたいです。