2024年02⽉06⽇
【医薬品/在庫管理システム】年間200時間の工数削減!棚番管理の脱エクセルで棚卸・入出庫の手入力が不要になった効果とは
医薬品原料メーカー様
業界 | 医療・医薬品業界 |
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会社規模 | 30~99人 |
機能 | 在庫管理 |
システム概要
課題
- 日々の入出庫のたびに棚番管理のエクセル入力を行い、倉庫整理時間として1時間×2名(フォークリフト運転者1名、エクセル入力者1名)の工数が必要だった
- 毎月末の簡易棚卸に30時間、4半期ごとの棚卸に40時間の工数をかけていた
- 実在庫とシステム在庫に差異が出やすく、あるはずの在庫が見つからないというケースが度々あった
解決策
- スマートFと連動するハンディターミナルを導入し、エクセルで手入力していた棚番や入出庫のデータ管理をシステム化
効果
- ハンディターミナルの導入でエクセルの入出庫入力が不要になった
- 年間の棚卸工数を年間約200時間削減することに成功
- 在庫と棚番を正確に把握できるようになり、倉庫内で実在庫を探す手間がほぼなくなった
導入の背景
倉庫を5倍に拡張し、従来のエクセル管理が限界に
同社では、医薬品の原材料や中間品、完成品の在庫管理を既存システムで行っています。ただし、既存システムには棚番管理の機能がないため、別途エクセルで棚番管理も行っていました。
棚番管理のシステムを検討するきっかけとなったのは、倉庫を約5倍に拡張したことです。従来のエクセル管理が難しくなり、業務効率化が急務となりました。また、エクセル手入力の工数を減らすため、ハンディターミナルを使用したいと考えていました。
スマートFに決めた理由
ハンディターミナル連携や棚番管理など、必要な機能すべてを低価格で導入できる
検討を始めた当初は、親会社に棚番を管理できるシステムはないか相談し、スマートF以外のシステムの紹介を受けていました。しかし、検討できないほど高額なシステムだったため、より低コストなシステムが必要だと伝えた際に提案されたのが、スマートFでした。
スマートFは予算感が合うだけではなく、システムに求めるハンディターミナルの連携使用や棚番管理、入出庫管理などの機能も十分だと判断。また、スマートFがクラウド型のシステムという点も同社に合っていました。これらの条件が揃ったことで、スマートFを採用していただきました。
導入効果
ハンディターミナルの導入でエクセルの入出庫入力が不要になった
【導入前】
倉庫内の物品の入出庫作業は、エクセルデータ入力者とフォークリフトのオペレーターの2人体制が基本。データ入力者も一緒に現場を回り、オペレーターが入出庫する度に情報を手打ちしていた。データ入力者は1時間ほどかけて、フォークリフトのオペレーターに付き添いながらエクセルに手入力していた。
【導入後】
入出庫記録をハンディターミナルで行えるようになり、フォークリフトのオペレーター1人で入出庫を完結できるようになった。さらに、データ入力者によるエクセル手入力が不要となった。
ハンディターミナルで入力した在庫情報は、スマートFに自動的に反映され、CSV出力も可能。また、入出庫したい物品を保管している棚番は事前に特定できるため、倉庫内を探す手間もなくなった。
年間の棚卸工数を約200時間削減することに成功
【導入前】
毎月末に簡易棚卸、4半期ごとに棚卸を実施。以前は既存システムから在庫一覧表を印刷し、実在庫数を確認しながら手書き記入していく形で実地棚卸を行っていた。ただし、既存システムの在庫一覧表には棚番情報がないため、棚番を記入しているエクセルデータと照らし合わせながら確認していた。現場で実在庫とシステム在庫に差異があった場合は、手書き出納簿やエクセルデータを修正する必要があった。
これらの棚卸方法でも、フォークリフトのオペレーターとエクセルデータ入力者の2名で作業していた。毎月末の棚卸では2人合計で約30時間、4半期ごとの棚卸では約40時間の工数を割いていた。
【導入後】
スマートFとハンディターミナルの活用で、既存システムとスマートFの在庫数の差異を確認するだけで棚卸ができるようになった。毎月末の簡易棚卸にかける時間は、30時間から15時間に短縮。4半期毎に40時間を割いていた棚卸も、20時間程度で終わるようになり、年間約200時間の工数削減となった。
在庫と棚番を正確に把握できるようになり、倉庫内で実在庫を探す手間がほぼなくなった
【導入前】
手書きの出納簿やエクセル管理表の記入漏れが原因で、あるはずの在庫がない、ないはずの在庫があるといった状況がよく起きていた。その度に倉庫内で在庫品を探す必要があった。
特に、半年や1年ほど使っていない原料在庫の保管場所がわからなくなるケースが度々起きていた。同社では、1度に複数ロットを製造するキャンペーン生産を行うため、一度使用した原料を長期間保管する場合が多い。
【導入後】
ハンディターミナルによる入出庫により、実在庫とスマートF上の在庫数の差異が生まれることはほとんどなくなった。その結果、あるはずのものがない状況がほとんどなくなり、倉庫内を探す工数も削減できた。
お客様の声
スマートFの導入時は、既存システムとのCSV連携なども含め、担当者の方に丁寧に対応していただきました。システム導入で大変だったのは、どちらかというと社内で理解を進める調整だったように思います。導入前は、倉庫を拡張したばかりのタイミングで現場の運用が変わることに抵抗感を持つ人もいましたが、現在はスマートFがないと困ると感じています。
また、これは医薬品業界だからかもしれませんが、新たなシステムとしてスマートFを検討する際、品質保証部の要望に応えていくのにも時間を要しました。たとえば、ハンディターミナルで印刷するラベルの仕様を、従来の製品および入庫ラベルとなるべく似たレイアウトにしたいと相談していたのですが、これは品質管理に関わる内容でした。危険物の場合はラベルの色を変えるなど、色による管理を行っているためです。カラー印刷にも対応していただき、大変助かりました。
今後も、スマートFをより使い込んでいくにつれて、現場と品質保証部どちらからも要望が出てくる可能性があります。担当者の方と相談しながら、より効率的な運用を実現していきたいです。
開発中の機能もたくさんあるとお伺いしているので、さらにスマートFが便利になっていくことを楽しみにしています。
株式会社ネクスタ:導入支援担当の声
【運用提案する上で心掛けたこと】
15種類のラベルを運用されており、それぞれ表示する項目や内容の意味を理解しながら設定させて頂きました。購入品(原料、資材)は入荷予定から入荷実績を作って一括登録し、自社製品や中間体は別の方法で入庫登録する、といった具合にラベルによって発行の仕方も変更しました。従来の運用の流れでラベルを問題なく発行できるようにご提案いたしました。
【導入時を振り返って】
在庫に貼り付けるラベル設定は、特に苦労しました。まず、カラー印字する必要があったため、複合機から市販のラベルシートに印字する方法を採用しました。しかし、この運用に至るまでも、試行錯誤が必要でした。例えば1シート4枚のラベルの場合、1枚分だけ発行すると残り3枚分が無駄になるという問題がありました。最終的には、発行枚数を自動計算し、残り3枚分には白塗りの背景を重ねることで、実質1枚分が印字されるというように設定しました。
また、なるべく従来と同じラベルにしたいというご要望にも対応させていただきました。元になるテンプレートが存在しなかったため、PDFを参考にデータを1から作成し、ラベルからはみ出ないように調整する作業が大変でした。最終的には満足していただけるラベルになり、導入効果も非常に出ているようなのでやりがいがありました。