製造現場において、ムリやムダのない生産を行うために生産計画を立てることは非常に重要です。生産管理担当者は、より効率的に生産するためにはどのような計画を立てればよいかと悩んでおられると思います。
生産計画を立てる時に活用するツールとしては、紙やホワイトボード、エクセル、生産管理システムなどがあります。
ただし、生産管理システムは導入費用が高額になるケースも多いため、まずは紙やホワイトボード、エクセルで生産計画を立てているという現場がほとんどではないでしょうか。
今回は、エクセルでの生産計画を始めたいという方や、今の生産計画の立て方を見直したいという方向けに、無料のエクセルテンプレートを用意しています。
今回ご提供するテンプレートの特徴は以下の通りです。
下記のダウンロードフォームからダウンロードしてお使いください。
日付欄の上にある年月の数値を、生産計画での基準日にしたい月日に変えてください。(2020年4月からの計画を立てたい場合は、”2020″年”4″月に変更)
数値を変更すると、日付欄の日付と曜日が自動で更新されます。
※デフォルトで2020年1月1日~2020年12月31日までの日付欄が作成されています。そのまま利用する場合は設定不要です。
エクセルのシートを切り替えて、各種マスタ情報の設定を行います。マスタ情報の設定を行うことで、生産計画表での入力時に選択肢が表示されてそこから選べるようになります。
シートは製品、作業内容、得意先、設備、担当者の5つがありますが、使い方は全て一緒なので、今回は例として製品シートでの設定方法を解説します。
製品シートを開くと、下図のような表があります。
「製品名」の列で製品名を入力してください。
仕様や規格などの情報がある場合は、「仕様/規格」の列に入力をします。
「備考」欄は生産計画表では表示されませんが、他の担当者向けで補足情報などを記載する場合に利用できます。
製品の種類を増やしたい場合は、表内で空白の行を選択し、右クリックメニューから「挿入」をすると行を増やすことが出来ます。
生産計画表シートを表示し、左側の概要欄に入力していきます。
まずは、「製品名」を入力します。
製品シートのマスタ情報を基にして選択するか、直接入力が可能です。
「仕様/規格」欄は、製品シートで事前に設定していれば、入力した製品名称を基に自動的に入力がされます。
次に、「ロット」を手入力します。
次に、「得意先」を入力します。
得意先は 得意先シートのマスタ情報を基にして選択するか、直接入力が可能です。
次に、「納期」を手入力で設定します。
納期を入力すると、右側の日程表で、納期の日付部分が赤色に変わります。
次に、「数量」を手入力します。
続いて、「作業」「設備」「担当者」に入力していきます。
各項目は 対応するシートのマスタ情報を基にして選択するか、直接入力が可能です。
これで概要欄の入力は完了です。
同じ製品で作業内容が複数ある場合は、「製品名」~「数量」までを別の行にコピー&ペーストして、「作業内容」「設備」「担当者」を作業内容毎に変えていきましょう。
ここからは、作業ごとの生産計画を立てていきます。
他の作業予定を見ながら、「開始日」と「終了日」に日付を入れていきます。
「開始日」と「終了日」に日付を入れると、右のカレンダー上で色がついていきます。これで、作業予定があることが分かりやすくなりました。
これで、生産計画を立てることができました。必要に応じて開始日/終了日や設備、担当者を変更してください。
作業が完了したら、概要欄の「状態」欄を「完了」に変更することで、その作業が完了しているかを判別することができます。
状態を完了に変えると、その行はグレーになり、一目で完了していると分かるようになります。
以上が基本的な使い方になりますが、このテンプレートを使う上での補足説明を引き続き説明いたします。
生産計画表の行を追加する場合は、表内で空白の行を選択し、右クリックメニューから「コピー」を実行します。
「コピー」後に、最後右クリックメニューを開き、「コピーしたセルの挿入」を実行すると行を増やすことが出来ます。
エクセルのフィルター機能を活用することで、生産計画表がより使いやすくなります。
4行目を行選択し、エクセルのホームタブ⇒編集にある「並び替えとフィルター」を選択し、「フィルター」をクリックします。
4行目の各列で矢印のボタンが表示されていれば、フィルター設定完了です。
フィルター機能で、計画を見たい製品名や得意先、作業内容、設備、担当者などで絞り込みをかけることが出来ます。
例:特定の製品のみを表示する場合
「製品名」の右の矢印ボタンをクリックし、メニューから見たい製品名をチェックで選択し、OKボタンを押す。
フィルターで絞り込みが実行され、選択した製品のみが表示されます。
フィルター機能で、特定の日付に作業予定のある作業のみを抽出することができます。
日付の右の矢印ボタンをクリックし、メニューで「色フィルター」⇒「セルの色でフィルター」で青色を選択クリックします。
その日付で作業予定のある作業のみが表示されます。
フィルター機能で、完了していない作業のみを抽出することができます。
「状態」の右の矢印ボタンをクリックし、メニューで「完了」のチェックを外して「OK」ボタンを押す。
完了していない作業だけが表示されます。完了した作業も表示する時は、完了に再度チェックを入れると確認できます。
エクセル生産計画表を利用する際はメリットとデメリットもしっかりと理解しておきましょう。
エクセル生産計画表のメリットはなんといっても無料で使えることです。今回当社が提供したテンプレート以外にも、インターネット上には無料で使えるテンプレートがいくつもあります。
さらにエクセルは多くの方が使ったことのあるソフトなので、どんな方でも簡単に操作できるのも大きなメリットです。
エクセルの操作に精通した方であれば、今回提供したテンプレートを基にして自社用にカスタマイズして使っていただくことも可能です。ぜひ、自社で使うのに最適な生産計画表を作っていってください。
そして、紙やホワイトボードに手書きで行うよりは正確に、分かりやすく生産計画を立てることができます。
エクセル生産計画表のデメリットは入力や管理の手間が発生して面倒なことです。
生産計画の入力は人の手で行う必要があり、急な納期変更や生産の遅れによって計画の見直しを行う場合も、人の手で入力をやり直す必要があります。
また、予定を空いているところを探したり、この作業にどれくらいの時間がかかるのかと頭の中で想像して計画を組まないといけないので、生産計画を立てるのに時間がかかってしまいます。
生産計画を立てられる担当者は現場に精通していなければならないので、属人的な業務になってしまう場合が非常に多いのも問題です。
このように、エクセルでの生産計画は無料で簡単にできますが、入力や管理の手間が多く発生しがちです。
エクセルで生産計画を立てていたけれど、もっと手間なく正確に生産計画を立てたい、属人的な生産計画をやめたいという場合は、生産管理システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか?
生産管理システムには、生産計画を自動で立ててくれるものがあります。事前に製品ごとの作業内容や標準の作業工数を入力しておけば、自動で生産予定日や担当者の割り当てを行ってくれるため、計画を立てる手間や属人的な生産計画業務を改善できます。
当社では、無料で生産管理システムのデモや貸し出しを行っております。エクセルでの生産計画をやめたいという方は、ぜひご検討ください。